ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値を見出す本連載。3月は、昨年11月に菊地氏が参加した、「東京競馬場 馬主体験ツアー」の様子をレポートしている。(1/3から読む)ーーー
ダービールームで食事をしながら
競馬を観戦できる特別企画に参加
ダービールームに足を踏み入れると、さすが貴賓室といってところ。大きなガラス張りで開放感があり、眼前には東京競馬場のターフコースが広がっていました。なお、同室は日本馬主協会とJRAが調整して使用する部屋で、今回のようなイベントなどでしか使われないとのこと。個人が利用したいと言っても無理です。そんな特別な空間に入ることができました。1つ下の7階には馬主が利用できる、馬主席があるようです。
この日のスケジュールは次の通りです。
10:30 受付開始
11:00 講演「馬主ライフとは?」
12:00 昼食
13:15 バックヤードツアー
14:30 競馬観戦
16:00 終了
いよいよ、競馬場でのVIP体験が始まりました。まずは、脚本家で馬主の大和屋暁さんとテレビ・ラジオキャスターの鈴木淑子さんによる講演です。太和屋さんは名馬として知られるディープインパクトを破り、ドバイのG1レースでも優勝したハーツクライの一口馬主を経て、2012年のアーリントンカップ、2013年秋の天皇賞、2014年の中山記念、ドバイのG1デューティーフリー、安田記念を制したジャスタウェイなどの競走馬を有する人物で、臨場感あふれるエピソードは、私を含め笑いや感動を誘いました。
馬主には3種類あり
様々な特典も受けられる
講演後にはJRAの職員から、馬主になるための話がありました。初めて知ることばかりでしたが、とりわけ驚いたのは、馬主には3種類あり、それぞれになるためには所得や資産の条件があるということです。以下の通りでした。
■馬主の種類
・個人馬主:個人を馬主として登録
・組合馬主:3名以上10人以下の組合員がそれぞれ出資。共同で馬主活動を行う
・法人馬主:競争事業を目的とする法人を馬主登録。代表者が個人馬主としての登録要件を満たす必要があり、法人の財務内容なども審査の対象。
■登録の要件
・個人馬主:過去2年の所得が1700万円以上/保有資産7500万円以上 など
・組合馬主:組合数が3名以上~10名以下/過去2年の所得が900万円以上/組合財産として1000万円以上の預貯金 など
・法人馬主:資本金または出資額が1000万円以上/代表者が申請法人の資本金または出資額の50%以上出資/過去2年の所得が1700万円以上/保有資産7500万円以上 など
馬主といえば個人的に高いハードルがあるイメージでしたが、2年連続で所得が1700万円以上、所有資産が7500万円以上あると証明できる個人馬主として登録できるとのこと。組合馬主ならハードルは低くなります。1990年代のピーク時から減ったものの、現在は約2500名の馬主がいて、その多くは個人馬主だそうです。なお、まれに耳にする「一口馬主」は馬主の名があるものの、正確には馬主ではありません。これは、クラブと呼ばれる法人が1頭の競走馬を小口に分割された持ち分を通じて出資者を募る、疑似馬主のシステムです。匿名組合契約が利用され、金融商品取引法による規制も受けます。どちらかとういうと小口投資、金融商品に近いと思います。
ーーー馬主には種類があり、登録要件も異なるという。組合馬主ならハードルが低いことも分かった。次回(3/23公開)は、馬主の魅力に迫ろう。