資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。7月は香港おける資産運用について、「Nippon Wealth Limited,a Restricted Licence Bank(日本ウェルス香港銀行:NWB)」の取締役兼CEOである中島努氏をお招きして対談を行っている。(vol.1から見る)
質の高い金融商品をジャパンクオリティで提供
内藤 香港在住やアジア各国に在住する日本人、NWBはこういった方たちの国際分散投資をサポートしたいと考えています。香港では邦銀の国際リテール分野がほぼ見られず、ブルーオーシャンだということですね。
中島 日本から打って出てアジアでビジネスを行いたい、あるいは投資活動をしたいというニーズは以前から見受けられましたが、一方で個人の金融の受け皿がなかったわけです。
そういった方のニーズにお応えしたいというのを、ベースとして考えてきました。一方、香港での法的枠組みは、「一定の条件を満たして必要書類をお持ち頂ければ、来る者拒まず=口座開設は可能」が基本的な考え方です。従って、香港のみならず、中国本土、シンガポール、タイ等アジア諸国から来られた方も対象となりますし、当然に日本から香港に旅行で来られた方も、香港にて口座は開けます。当行では、ともかくその際の言葉の障害を如何に低くするかを考えています。
すなわち邦人だけではなく、香港人やアジアの方々を幅広く受け入れることで、国際分散投資のゲートウェイになることを目指しています。近年は、日本のおもてなしの精神やきめ細やかなサービスが世界中から注目されていて、NWBでも「Japan Quality」という格式を携えて、顧客の資産運用・管理を総合的に提案していきたい次第です。
内藤 実際のところ、香港における資産運用の現状は、どうなっているのでしょうか。プライベートバンクもありますし、現地銀行に口座を開く日本人は少なくともいるようです。
中島 通常の欧米のプライベートバンクは一口座当たりの最低預かり資産が300万ドルから500万ドル(日本円で約3億円から5億円)と巷間言われており、敷居は高くなるばかりのようです。某欧米系PBは。一般的にコンシェルジュサービスが付帯して、資産運用のアドバイスは言うまでもなく、お子さんの学校や住居を探すとか、生活全般をサポートしてくれます。しかしながら、これではあまりに敷居が高すぎて、利用できる日本人の富裕層は限られます。
一方で、HSBC(香港上海銀行)などに地元の金融機関で口座を開き資産運用を始めたいという日本人もいますが、言葉の壁が立ちはだかり、結局は何をしていいかわからないケースもあるようです。