巷では“英国風”が大流行りだ。そこで、その本家本元をご紹介しよう。ハケット ロンドンは、紳士服の世界で「Mr.クラシック」と称されるジェレミー・ハケット氏が、1983年にスタートさせたブランドだ。ジェレミー氏は、根っからのイングリッシュ・ジェントルマン。本物が手がけたところが、凡百の英国風を気取るブランドとの大きな違いだ。今回は、そんなハケット ロンドンを体現するハケット ジャパン、セールスマネージャー、大西慎哉氏にご登場頂き、英国流お洒落の真髄とは何かを伺った。
*2018年に好評いただいた回のアンコール掲載です
1965年 三重県松阪市生まれ。1991年(株)レナウン入社。アクアスキュータムや(株)フィッチェ・ウォーモを経て、2008年よりハケット ロンドンへ。ハケット ジャパンの設立にも関わる。184cmの高身長にブリティッシュ・スタイルがよく似合う。スーツ、シャツ、タイすべてハケット ロンドン。
今回の Concierge
大西慎哉さん(ハケット ジャパン、セールスマネージャー)
1965年 東京生まれ。1991年(株)レナウン入社。アクアスキュータムや(株)フィッチェ・ウォーモを経て、2008年よりハケット ロンドンへ。ハケット ジャパンの設立にも関わる。184cmの高身長にブリティッシュ・スタイルがよく似合う。スーツ、シャツ、タイすべてハケット ロンドン。
Q
「昨今、英国風が流行っていると言われますが、それについてどう思われますか?」
A
「われわれは年中無休で英国なのです」
——いまどのショップへ行っても英国風がキーワードだと言われますが?
「確かに流行っていますね。ハリスツィードやフォックスブラザーズのフランネルなどが注目されていると聞きます。それはそれで嬉しく感じますが、われわれハケット ロンドンは年中無休で英国そのものなのです。なにしろ、生粋の英国ブランドですから(笑)」
——英国製の生地にこだわっていらっしゃるのですよね?
「はい。ハケット ロンドンには、フォックスブラザーズやダグテイル、ホーランド&シェリーといった英国製の生地が多く使われています。英国の生地は素晴らしいものですが、作るのに手間とコストがかかり、現在の世の中では消えゆく運命にあります。いわば“工芸品”のようなものなのです。われわれはこれを再び“産業”として蘇らせたい」
——チャールズ皇太子も英国生地の発展に尽力しているとか?
「皇太子の提唱した“キャンペーン・フォー・ウール”にハケット ロンドンも参加しています。英国の天然素材のよさを見直そうというキャンペーンです」
——英国製の生地の魅力とは、どんなところですか?
「ヘビーでハリとコシが強いところです。英国のいい生地はハサミを入れると反発してくるようだと言われます。これがイタリア製だとハサミが吸い込まれるようなのです。英国生地は仕立て映えがし、シワも入りません。その代わり、体に馴染むまでには1〜2年はかかります。しかし馴染んでからの着やすさ、美しさは他に類を見ません」
——本日お召しのものも、英国製の生地を使ったものですね?
「ハケット ロンドンのレディメイドで、フォックスブラザーズのウーステッドが使われています。夏生地ですが、独特のハリ感があります」