資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。11月はFPコミュニケーションズの浦田健氏をお招きし、「スリランカのホテル不動産」をテーマに対談を行っている。コロンボで高級コンドミニアムを手がけるのは賢明ではないというが…ならば浦田氏が打った手とは?
ホテルの居室に投資する
新たなプロジェクトが始動
内藤 当初は他の国と同じように、外国人投資家に高級コンドミニアムを手がける用途考えていたのが、現地をリサーチすることで、「違う」という結論にいたったわけですね。
浦田 次に考えたのは、スリランカに現地法人を設立したうえで、ローカル向けの実需向けの物件をデベロップしようということでした。ガラリと方針を変え、日本人投資家向けではなく、スリランカの住宅問題を解決するビジネスを考えたのです。幸いなことに、一緒にプロジェクトを進めたいという地主も少なからずいて、行政とも協業すれば良い企画になると思いました。
内藤 思い切った方針転換だったのですね。ですが、浦田さんがこの度立ち上げたのは、日本人向けのホテル投資ですよね。どういうことでしょうか?
浦田 じつは、そこからも紆余曲折がありまして。そうこうするうちに、ある地主から「物件を作って投資家を募ってほしい」という要望があったのです。その方は「各戸にプールのある豪華なコンドミニアムを建ててほしい」なんていうのですが…さすがにその企画はないだろうと。土地の眼前は海なのに(笑)。そこで、「このプロジェクトだと投資家に紹介できないから、私なりのプランを自由に考えさせてほしい」とお願いしたのです。
結局のところ振り出しに戻ったような感じなのですが、外国人投資家向きの企画を再考したところ、それがホテルでした。
コロンボには5つ星はいくつかあるもののビジネス系のホテルが圧倒的に不足していて、観光客やビジネスユースの増加に対応できていません。それゆえ稼働率は高くて、デイユースを2回転させるところもあるほどです。私もコロンボ市内にある築5年以内のビジネスホテルにいくつか泊まってみましたが、いずれも高稼働率でした。それを目の当たりにして、かなり面白いと確信したのです。