ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値を見出す本連載。今月のテーマは銀行系のプレミアムサービスだが、ここからは具体的な事例に触れていこう。ーーー

富裕層と親和性の高い信託銀行は
プレミアム系サービスの宝庫

今回からは、銀行系プレミアムサービスの具体例を紹介します。なかでも目立ったサービスを展開するのは、富裕層と親和性の高い信託銀行です。幅広い資産管理ができ、相続対策などにも乗ってくれますから、すでに活用している読者もいるかもしれませんね。

そのひとつが、三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の子会社として知られる、三菱UFJ信託銀行の「エクセレント倶楽部」です。同行では、会員向けの基本サービスとして「メンバーシップサービス」、信託銀行としてのサービスである「トラストバンキングプレミアム」、ライフサービスの「クオリティライフサポート」を提供しています。

入会資格は、世帯合計で取引残高が1000万円以上、または住宅ローンの取引がある顧客。取引残高、取引年数、取引内容によって決定するポイント数の合計に応じて「ゴールド」（30～49P）、「ダイヤモンド」（50～99P）、「ロイヤル」（100P以上）の3つのステージに分類されるという仕組みです。例えば、取引残高ポイントであれば、次のようになっています。

5000万円以上：100P
3000万円以上5000万円未満：50P
2500万円以上3000万円未満：45P
2000万円以上2500万円未満：40P
1500万円以上2000万円未満：35P
1000万円以上1500万円未満：30P

住宅ローンポイントは借入残高の増減に関係なく、一律30P、取引年数ポイントは入会後1年経過ごとに2P、執行付き遺言信託を預けていて申告した場合は、資産管理ポイントとして20Pも加算されるようです。

こういった異なるステイタスを用意したうえで、「メンバーシップサービス」では、会員専用デスク、会員誌『エクセレント倶楽部ニュース』の発行、会員専用ホームページ、各界著名人による講演やファイナンシャルプランナーなどによる資産運用セミナーへの招待、キャッシュカード盗難保険（盗難・紛失時、ATMなどで不正使用された場合、最大1000万円を補償）、バースデーサービス（ロイヤルのみ）といったサービスが提供されます。

実用的なサービスとしては「トラストバンキングサービス」に注目したいところです。ここでは、定期預金金利上乗せ、住宅ローン金利引き下げ、賃貸マンション・アパートローン金利引き下げ、ATM出金手数料無料（「ロイヤル」「ダイヤモンド」は回数無制限、「ゴールド」は月2回まで）、インターネットバンキング振込手数料無料（月20回まで）、テレホンバンキング振込手数料無料（「ゴールド」は除く）など、金利・手数料系のサービスが充実しています。特筆すべきは、貸金庫の使用料割引がある点。「ゴールド」は40％、「ダイヤモンド」と「ロイヤル」は50％オフですから、重宝する方もいるはずです。

資産管理のサービスも手厚く、遺言信託取扱手数料無料（「ゴールド」は除く）、不動産仲介手数料割引（「ロイヤル」「ダイヤモンド」は30％、「ゴールド」は対象外）、資産の健康診断サービスの手数料割引といった特典も用意されています。この辺りは信託銀行の面目躍如といったところでしょうか。

「クオリティライフサポート」の内容は幅広く、「健康・介護」のジャンルとして、名医紹介サービス（「ゴールド」は除く）、健康・介護相談ダイヤル、聖路加メディローカスクラブ入会金割引サービス、「旅行・レジャー」では、オリジナルツアーや、海外・国内パック旅行割引、JAL・ANAのパッケージツアー割引、星野リゾート優待サービスなどが目白押し、「お買い物」では、高島屋の買い物5％割引、日比谷花壇のフラワー割引サービス、はせがわの仏壇・仏具・墓石割引サービス、「住まい」だと、積水ハウスの建物本体価格3％割引紹介、三菱地所ホームの建物本体価格5％割引紹介、ホームセキュリティや清掃サービスもラインナップされています。

とにかく挙げればキリがないのですが、特典内容はプレミアム系クレジットカードに匹敵するほど。これらを、一定の資産を預けるだけで使えるわけですから、付加価値の高さは言うまでもありません。