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海外不動産投資の資金調達スキーム 3/4

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルをお招きして、資産運用にまつわる旬のトピックを取り上げる、本連載。12月は松石滋樹氏とともに、国内金融機関を利用した海外不動産投資をテーマに話を進めているが、今回は、この手法のメリット・デメリットを掘り下げよう。(1/4回から読む)ーーー

マネーカフェ1612 3

無担保では融資を受けられない…
海外物件ゆえの条件がある

内藤 国内の金融機関からお金を借りて海外不動産に打って出られますから、これまで二の足を踏んでいた人にとっては、魅力的な話です。ただし、為替リスクが生じるといったリスクも…。他にも注意点はありますか。

松石 無担保で借りられるのはレアケースで、ほとんどが自宅などを担保に差し出す必要があります。

内藤 残債がない、あるいは空き枠を使って担保を設定すればいいわけですね。

松石 あるいは、相続で無担保の不動産を引き継いだ場合。親からもらった物件なので売るに売れず、良い場所にありテナントもついているなら、むしろ担保に使うのに向いています。実際、そういった方で、国内でこれ以上物件を買い進める必要はなく、海外で買いたいというご相談はよくあります。1億円近くの融資をリスクプレミアムによる金利上昇もなく、国内のアパートローンと同じ水準で引き出せたというケースもありました。担保余力があり、それを使ってどこに資産を増やしていくかという時、選択肢が国内ではなく海外にも出てきたというのは喜ばしい話です。

日本国内の不動産取得において、不動産融資が増えるとバブル懸念が生まれますが、海外不動産取得だと日本の不動産価格を吊り上げるわけではありませんので、国内の不動産バブルを生み出すこともないかと思います。

内藤忍

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