ブラック・プレミアムクラスを中心に、ポイ探の菊地崇仁氏が、クレジットカードの隠された使い方や機能を探っていく本企画。プライベートやビジネスに何かと身近な存在だからこそ、本当の価値を知り、使いこなしていただきたいというのが目的だ。
今回のテーマは「エアライン系プレミアムカード」。ANAのクレジットカードについて、付加価値の見出し方を言及していこう。
エアラインとの提携プレミアムカードは、メインカードになりえるか?
エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地崇仁です。前回は、街中ラウンジやコンシェルジュ、旅行傷害保険といった、ブラック・プレミアム系カードの付帯サービスについてお話ししました。これらは、まさに上級カードならではの付加価値でもあるので、うまくお使いいただければと思う次第です。
さて、今月取り上げるのは、エアライン系から、ANAのプレミアムカードです。
ダイナース プレミアムカードやアメックス・プラチナというような、クレジットカード会社(イシュア)が発行する「プロパーカード」と異なり、イシュアが企業やその他団体と提携して発行するカードを「提携カード」と呼びますが、ANAカードもそのひとつ。この場合は、カード会社とANAの提携により、カードが発行。それゆえ、VISA、JCBなど複数の国際ブランドのカードが用意されていて、ホルダーはコストパフォーマンスや付帯サービスといった観点から、持つべき1枚を選べる仕組みです。
また、一般的にブラック・プレミアム系カードはプロパーカードであるケースがほとんどで、カード会社が直接発行するカードを所有することが、ステイタスを満たすという側面もあるようです。
ただし、近年はカード各社も提携プレミアムに力を入れていて、例えばアメックスは「ANAアメリカン・エキスプレス®・プレミアム・カード」を新たにラインナップに加え、これにより、VISA、JCB、ダイナース、アメックスという、代表的な国際ブランドを冠する「ANAカードプレミアム」が出そろいました。
そこで気になるのは、こういったプレミアム系の提携カードが、メインカードになりえるかについて。基本的にプロパーカードと提携カードでポイント付与率や付帯サービスはほぼ変わりませんから、わざわざ提携カードを持つ意味はあるのかという考えにいたります。
結論として、ANAを利用する機会が多いのなら、持っておいても悪くないということです。プレミアム系の提携カードであれば、継続で受け取れるボーナスマイルが1万マイルであったり、一部付加されるサービスもあります。マイルにカードの付加価値を見出すなら、提携カードもメインとして力を発揮することになります。
ところが一方で、提携カードになることで、プロパーカードで提供されていた一部サービスが制限されることもあります。これにデメリットを感じるなら、メインはプロパーのブラック・プレミアム、加えてANAの提携カードから、ゴールドカードをサブとして持てばいいでしょう。シーンに応じて両者を使い分ければ、それぞれのカードの魅力を最大限に引き出すことができます。
このように、若干戦略が求められる部分もありますが、独自のサービスもあり、魅力的な側面も兼ね備えているのが、ANAカードプレミアムです。次回は、具体的なカードを挙げつつ、その内容を掘り下げていきましょう。
ANAマイラーを中心に人気のANAカード。プレミアム系も用意されていて、メインに据えることもできるようだ。ならば、気になるのはそのスペック。付加価値の部分に迫っていこう。
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