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インタビュー|岡村聡
シンガポールから世界へ 前編

フィリピンはお勧めの国で不動産市場は手つかず。日本人もあまり目をつけていません。マレーシアやタイはすでに物件価格が高く、インドネシアは規制が厳しくて容易に買うことができませんが、フィリピンは価格が安く、これからが楽しみです。外国人の不動産投資が規制緩和されたベトナムにも注目しています。

長期的に投資するのであれば、ミャンマーが面白いですね。選挙で、アウンサンスーチーさんの党が勝ち、大きく変革を遂げようとしていて、混乱が起きる可能性もありますが、例えるなら1950年代の日本と同じで、鉄道も何もない状況で、それこそ「ここに鉄道が通るから土地を買っておけ」みたいなことがあるかもしれません。数年で100倍になってもおかしくないほどです。反対にゼロになる可能性もゼロではありませんが……。

ヤンゴンの一部高級住宅街はシンガポールと同じ単価で売買されていて、現地の富裕層から人気を集めています。世界中、国を問わずトップ富裕層の豊かさはあまり変わらなくなっており、良いロケーションの物件の単価は同じレンジに収束ということです。

岡村聡氏2

ほかにも、オセアニアだと、オーストラリアやニュージランドの高級物件を中国人が買い始めていて、日本人も興味を持つ人が現れています。私のお客様にもいて、近く現地に飛ぶ予定です。

日本にいるだけだと見えない部分が多いのですが、グローバル経済や投資環境は、日々変化していますから、その目で確かめていただきたいです。こと、日本人は海外不動産投資をする際、物件を直接見ないで買うことが多く、それはお勧めできません。3~4年前にプレビルドの物件を購入して、本来なら完成しているはずが原野のままというケースもあるようです。

「新興国は治安が不安」と言うかたもいますが、行っていい場所とダメな場所は事前に調べればわかりますし、ちゃんとしたルートを選べば何ら問題はありません。それは日本でも同じことで、要はお作法を守ればいいだけです。いまは現地を視察するスタディーツアーも増えてきたので、見ないよりは見たほうが安心ですし、気にいらなければ買わないという選択肢もあります。普通に「まず見ること」から始めればいいと思います。

ーーーシンガポールでのビジネスも順調に推移し、新たなステップに差し掛かったという、岡村氏。今後は、アメリカやイギリスも視野に入れていくという。一方、海外の富裕層たちは日本にも関心を持っているとか。次回は、その点を掘り下げていこう。そして、話題の新著についてもお聞きした。

→後編


岡村聡(おかむら・さとし)
シンガポールで資産運用のアドバイスを行う株式会社S&S investments代表取締役。 マッキンゼー&カンパニー、アドバンテッジ・パートナーズなどを経て、2010年11月に妻と2人で同社を設立。現在、資産運用に加えて、海外移住や海外不動産投資などのコンサルティングも行っている。近著に『世界の超富裕層だけがやっているお金の習慣』(KADOKAWA)



岡村氏 本
▼岡村聡 著

『世界の超富裕層だけがやっているお金の習慣』
KADOKAWA 1,512円(税込)



エンリッチ編集部

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