ビジネスセンスに長けた経営者は
足し算・引き算がうまい
結局のところ、世の中は「足し算」「引き算」で成り立っていますし、こういった計算が上手な人こそ、成功しやすいと思います。例えばビジネスであれば、収入と支出。両者のバランスが取れていれば業績は伸びていきますし、かたやバランスが悪いと、たちまち経営は成り立たなくなります。仮にビジネスはうまくいっていても、過剰な投資、多額の有利子負債を抱えていればダメになる…当たり前の話ですが、バランス感覚が乏しいと、こういった計算がうまくいかない…自分自身は別として、周りを見ると思い当たる節はあるのではないでしょうか。ようは、こういった計算が上手な経営者=ビジネスセンスに長けるということです。
もっと卑近な例を挙げると、ダイエット。これも、巷では「○○ダイエットがトレンド」など情報はつねに錯綜していますが、結局は、摂取カロリーと消費カロリーの足し算・引き算で成否は決まります。
そこで、バランス感覚が良くない人が取り組むと、過剰なカロリー制限あるいはハードな運動を繰り返すことで一時的にはうまくいくのですが、やはりストレスになってしまうのか長続きせず、ヘタをするとリバウンドして、さらに太ってしまうという結果になりがちです。
他方、バランス感覚が良く計算ができる人は、腹八分目と適度な運動が成功の秘訣で、長続きするともわかっています。普段の生活でも、ある晩は食べ過ぎたら翌日の食事は控えるなど、理にかなった行動が日常にも組み込まれているようです。
ですから、もし自分のことを「バランス感覚が良くない」と思うなら、日常生活に運動習慣を取り入れてみることをお勧めします。あるいは、経営者であれば会社の業績や財務を見直すことで、現状の見直しにもなるはず。収入と支出が不均衡であればバランス感覚を失いつつあるのかもしれません。改善することで取り戻してみましょう。
ーートップアスリートと経営者に共通するスキルは「バランス感覚」。皆さんも、思い当たる節があるのでは? 次回後編では、ビジネスの“ブレ”がなぜ起きるのか、また、初心を振り返ることの重要性についてお届けしましょう。
一流だけが知っている自分の限界を超える方法
KADOKAWA/中経出版 1,404円
名だたるトップアスリートが指名するメンタルトレーナーである著者が、彼らと真剣に向き合う中で見出した「人間は本来負けたがっている」というオリジナルのスポーツ心理学をベースに、「勝ち」への執着を捨て、限界突破のための「負け」を知る究極の方法を説く。
高畑好秀 公式サイト: www.takahata-mental.com