ここから思うに、私は今後、クレジットカードのサービスは「ポイントから付帯」へシフトすると考えています。一時期はもてはやされた高還元のカードですが、カード各社にとってみると負担は重く、それよりは付帯サービスで勝負したいと考えているのかもしれません。とりわけ、プレミアム・ブラック系のカードホルダーには付加価値の高いサービスを提供することで、満足度を高めたいという狙いも垣間見えます。
じつのところ、2015年は目立って新たなカードが生まれたわけではなく、ハイクラスのジャンルだと、「One Harmony VISA」や「キャセイパシフィック MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」くらいでした。今年も乱発するのではなく、既存カードのサービス内容を充実させることで、新たなユーザーを取り込もうと考えていると思います。それには理由もあり、各社は、クレジットカードよりもプッシュしたい商品があるからだと私は推察しています。
ーーー「ポイントから付帯へ」というのが、2016年のカードトレンド。菊地氏は、新たなカードのリリースもそれほど多くないと予測している。その理由は、次回にひも解こう。
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北海道札幌市出身。1998年に法政大学工学部を卒業後、同年日本電信電話株式会社(現NTT東日本)に入社。社内システムの開発、Lモードの料金システム開発、フレッツ網の機器検証等に携わり2002年に退社。同年、友人と共に起業し、システムの設計・開発・運用を行う。2006年、ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年3月代表取締役に就任。2013年、All About「ポイント・マイル」のガイド、ザイ・オンライン「人生を5%豊かにするクレジットカード活用術」のコラム、ペイメントナビへの記事提供を開始。2014年から東京バーゲンマニア「お金の貯まるカード活用術」のコラム、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへの記事提供を行っている。ポイント・マイレージに関して、テレビ・雑誌等でも活躍中。著書に『新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)』、『得するポイント(カード)の貯め方・使い方 (日本監督協会)』。ポイ探