同様のサービスは、三井住友信託銀行も実施していて、それが「トラストプレミアムサービス」です。ここでは、預かり資産残高と住宅ローンなどの当初借入額の半分を合計した「取引残高」によって、以下の3つのステージを用意しています。
シルバーステージ:300万円以上1000万円未満
ゴールドステージ:1000万円以上3000万円未満
プラチナステージ:3000万円以上
サービスメニューは「バンキングサービス」「手数料割引サービス」「ライフサポートサービス」の3種類。以下のような優遇が受けられます。
【バンキングサービス】
トラストプレミアムサービス普通預金、定期預金金利上乗せ、ATM時間外出金手数料無料、他金融機関等ATM出金手数料無料(月20回まで無料)、ダイレクト振込手数料無料(原則月20回まで無料)
【手数料割引サービス】
不動産仲介手数料割引、貸金庫使用料割引、遺言信託 執行コース基本手数料割引/遺言書保管料無料、暦年贈与サポート信託手数料割引
【ライフサポートサービス】
船割サービス、旅行割引サービス、がん検診・人間ドック割引、健康相談ダイヤル
三菱UFJ信託銀行と同じく、ステージによって受けられる特典は変わりますが、いずれにしても内容は幅広く、資産を預けるだけで利用できるのですから、利用者にデメリットはありません。あるとすれば破たんリスクくらいでしょう。
以前、プレミアム系アクレジットカードで取り上げた、SMBC信託銀行の「PRESTIA(プレスティア)」でも、預入総額1000万円以上の顧客に対して「PRESTIA GOLD」、5000万以上の顧客に対しては「PRESTIA PREMIUM」といったサービスを提供しています。
代表的なサービスは、住宅ローンや不動産投資ローンといったローンの優遇、預金金利の上乗せ、クロスカレンシー取引(外貨間為替取引)、さらにはコンサルティングなど、資産運用のトータルサポートが受けられます。PRESTIAの場合、外貨をそのまま預入&出金ができるなど、外貨取引に強みがあり、海外に出かける機会が多い方にとっては有利といえるでしょう。
このように、個人の資産運用を手掛ける性質のある信託銀行は富裕層の顧客も多く、それに見合った特別なサービスを得意としています。ローコストでこういった特典を得たいのであれば、資産の一部を預けることを検討してもいいのではないでしょうか。
ーーー顧客に対して特別なサービスを展開する信託銀行。対して、一部の銀行でも同様のサービスはあるようだ。次回、10月の締めくくりでは、これについて言及しよう。