ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値を見出す本連載。2018年最初は「特別編」をお届けしているが、1月最後のトピックは「決済手段の進化」について。今後の動向を探ろう。(1/3から読む)ーーー
モバイル決済の手段は増加傾向
日本もいよいよキャッシュレスに?
日本では、おサイフケータイをフックに、Suicaを中心とした交通系電子マネー、nanacoやWAONといった流通系電子マネー、それとは別にQUICPayやiDといったポストペイタイプの電子マネー、これら電子決済のスタンダードの加え、満を持して「ApplePay」もモバイル決済に加わりました。他方、「楽天ペイ」や「オリガミペイ」など、QRコードを使ったモバイル決済も普及しつつあります。中国初の「WeChat Pay」や「アリペイ」を採用する国内店舗もあり、国内外のサービスが利用できる環境が、いよいよ整ってくるのかもしれません。
カード会社自体も決済手段の簡素化には積極的で、Visaであれば対応するカードをレジにあるリーダーにかざすだけで支払いが完了する「Visa payWave(ビザペイウェーブ)」搭載のカードを増やしています。以前は店舗側にリーダーが少なかったのですが、最近は目にする機会が増えました。こういったサービスはApplePayをはじめ、他のモバイル決済と競合するので、今後の動向は気になります。
クレジットカードだけではなくモバイル決済も加わり、キャッシュレス社会の実現に拍車がかかりそうです。皮肉なことに、中国では偽札が多いことから現金離れが進み、いまではキャッシュレス先進国になることに。北欧のスウェーデンは世界で最もキャッシュレス化が進んでいて、現金の使用率は3%にしかすぎません。中央銀行も段階的に高額紙幣を廃止しているので、おのずと現金から電子マネーへ決済手段はシフトしています。インドではキャッシュレス経済の推進と不正資金撲滅を目的に、500ルピー札と1000ルピー札を廃止したほどです。