日経新聞によると、Zホールディングスと同社株式の約4割を保有するソフトバンク、ライン株式の過半数を持つ韓国ネイバー社は、ソフトバンクとネイバーが半々出資する共同出資会社を設立し、Zホールディングスの筆頭株主になるという案を協議しているとのこと。当初は「検討していることは事実」「協議していることは事実」と両社はコメントしましたが、11月18日には、2020年10月に経営統合することで基本合意に至ったと報告しています。
LINEといえばメッセージアプリで大きなシェアを誇り、国内月間アクティブユーザーは8200万人、海外では同1億400万人を誇る規模。LINE Payを通じてモバイル決済・送金の分野でもユーザーから高い支持を得ています。みずほフィナンシャルグループとともにオンライン銀行の設立、野村ホールディングスと組んでLINE証券も設立しました。いまや、金融・ペイメント業界で異彩を放つ存在です。
Zホールディングスは傘下となるヤフーの顧客基盤が平均月間利用者数6743万人、アプリ合算の月間アクティブユーザーは1億4000万人。PayPayでキャッシュレス決済をリードしていて、ワイジェイFX、ジャパンネット銀行など、金融サービスも手掛けています。ヤフオク!、ZOZOTOWN、一休.comなど多種多様なサービスも展開していて、同社グループのサービスをまったく使わない人の方が珍しいくらいでしょう。
そんな両社が経営統合すると、サービスのシームレス化で相互送客が可能になり、ユーザー基盤は拡大。金融事業やペイメントでも共同でシステムを開発したり、フィンテックビジネスを加速させる可能性があります。そして、両社がひとつになることで、PayPayとLINE Payは一本化し、名称もどちらかに統合するのではないかと思います。
ーーーZホールディングスとLINEの経営統合で、コード決済は再編。業界にどのような影響をもたらすのか、次回も引き続き解説しよう。