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新型コロナウイルスをめぐる対応 2/3

館内の消毒だけではなく
ホテルでは会員資格を延長

ホテル・旅館業界も新型コロナによる影響は甚大で、営業変更・休止を余儀なくされています。インバウンドが多かったエリアでは、廃業・倒産したところもあるようです。不特定多数の宿泊客が訪れるだけにウイルス対策は徹底していて、現場では館内に消毒液を設置したり、客室やドアノブ、エレベーターのボタンなどをアルコール消毒液でふき取り。従業員のマスク着用などの取り組みを行っています。

各社の取り組みも見てみましょう。オークラ ニッコー ホテルズでは、グループウェブサイト、予約センターあるいは直接ホテルに申し込んだ20年4月30日宿泊までの個人予約について、到着日の前々日までは約款などに定める規定を適用しないで、キャンセルや違約金なしに予約の変更・キャンセルが可能。One Harmonyエクスクルーシィヴ会員、ロイヤル会員に対しても、20年の利用回数・利用金額が基準に満たない場合でも20年度の会員のステイタスは21年度も引き続き、維持します。ホテルの会員プログラムは利用実績がダイレクトに反映されるだけに、来訪頻度が減った顧客にとってありがたい対応でしょう。

マリオット・インターナショナルではすべてのホテルにおいては、次のようなポリシーを適用しています。まず、すでに予約をした顧客については、20年6月30日までに手続きが行われれば、到着予定日の24時間まではキャンセル料・違約金なしに、予定変更・キャンセルすることが可能。ただし、変更にあたっては空室状況が影響し、料金が異なる場合もあるとしています。新規予約についても、6月30日までに手続きをした場合は、到着予定日24時間までは同様の扱いです。Marriott Bonvoy会員に対しては、19年に獲得したエリート会員資格の有効期限を22年2月まで延長。ポイントの有効期限を21年2月まで一時的に停止し、その時点で顧客アカウントに24カ月以上の利用記録がないのみ、ポイントは失効します。クレジットカードの特典などで提供された、20年に期限切れとなる無料宿泊特典は、21年1月31日まで有効期限が延長されます。

ヒルトンも同様で、20年6月30日までに到着予定の既存予約の場合、キャンセル不可の記載があっても到着予定日の24時間前まででばれ無料で予約の変更・キャンセルが可能。3月25日~6月30日までに新規に予約した宿泊も、同じポリシーです。ヒルトン・オナーズ・ポイントおよび会員資格については、20年3月31日に19年の会員資格(ダイヤモンド、ゴールド、シルバー)がダウングレードする予定だった顧客に対しては、すでに21年3月31日まで会員資格を自動延長。20年の会員資格を22年3月31日まで延長します。また、20年3月25日~12月31日までの間に失効予定の全ポイントの有効期限も保留すると発表しました。

ーーー大手ホテルグループもエアラインと同様、会員資格の延長といった対応が目立つようだ。次回は、カード各社の動向に迫ろう。

菊地宗仁_300

菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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