フルサービスは一部カードのみ
サービスを特化したカードが続々
今年は、サービスを特化したカードが登場するかもしれません。昨年には三井住友カードが、ポイントに特化した「プラチナプリファード」を発行したことで話題になりました。これは、基本の還元率が1%で、提携する「プリファードストア」で利用すると、さらに1~9%のポイントが付与されるというもの。カード入会月の3カ月後までに40万円を使うと4万ポイントが還元され、2年目以降の継続でも年100万円ごとに1万ポイント(最大4万ポイント)が付与されます。
近年は還元率0.5%のカードが多いなか、とてもレアなカードでしょう。ただし、同カードはプラチナの名を冠しているものの、宿泊・飲食の優待は付帯しません。ある意味、割り切ったカードと言えますが、すべてのカードホルダーがフルサービスを求めているわけではなく、こういったカードは一定の支持を得ると思います。
クレディセゾンでは、日本初で月会費(980円)を採用し、女性をターゲットにした「セゾンローズゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード」のユーザーを6月30日までの期間限定で募集することでも話題になりました。同カードもゴールドを冠していて会費も年間で1万1760円と、一般的なゴールドカード並みです。ところが、空港ラウンジなどの特典はなく、スターバックスのドリンクチケット(eGift500円分)を毎月1回進呈、毎月1万円以上のカード利用でスタンプがたまり、たまったスタンプ数に応じてホテルの食事券や高級グルメをプレゼントするなど、ターゲット層に刺さるサービスに特化しています。ホルダーのニーズが多様化するなか、こういったカードは今後も増えていくでしょう。
ーークレジットカードのセキュリティ強化、サービスの特化は、ホルダーにとってもカードの取捨選択の基準になるだろう。次回、特別編の最後は、ポイントなどの新たな活用法について取り上げよう。