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ニューヨーク不動産投資 vol.3

ただし、こういった未完成物件にローンを使うことはできず、買い付けもリノベーション費用も現金が必要。ガッツのある人は、2年間のショートタイムで資金を調達する「ブリッジローン」を利用し、その間にリノベーションをして売却をする、またはテナントをつけて普通のローンに借り換えるというケースもありますが、あくまでレア。金利も8~9%と高めです。

*資料提供:タイチ不動産
*資料提供:タイチ不動産

内藤 ブルックリンなど郊外エリアだと、戸建てが長屋のようにくっついた、タウンハンスもありますよね。その一角を狙うのはどうでしょうか。

池田 ローカル向けになるでしょうが、それも選択肢のひとつです。ニューヨークには庶民からアッパー層まで幅広くいますし。当社の扱う売買物件だと、価格は24万9500ドルでリターン予想は5~6%ですから、パフォーマンスは悪くありません。

内藤 あえてそういう場所を狙い、開発の波に乗るという戦略も考えられますね。それと、ニューヨークの不動産投資で押さえておきたいのは、「レントスタイビライゼーション(RS)」についてです。

池田 これは、戦時中に家賃が急上昇しないよう定められた法律のなごりで、概要は次の通りです。

適用対象物件
■1947年~1973年に建築された物件
■6世帯以上の建物
■1947年以前に建築されたもので1971年7月以降にテナントが入居
■$2500以下の法定賃料
■親子で継承可能

賃料増加に対する制限
■定率アップ:テナント入れ換わり時に賃料の約16%まで家賃アップ可能(年により変動有り)
■改装費:改装費の40分の1まで月家賃アップ可能
■毎年アップ:毎年、市がRSテナント家賃の上昇可能%を発表

この家賃安定化法ですが、現在もニューヨークで100万世帯が適用対象といわれていて、ビルを買うとテナントの2~3割は該当するほど。要は、その人たちは相場に比べて家賃が安いわけです。ところが、そこで人が入れ替わると部屋自体はマーケット価格に引き上げていける訳ですので、テナント入れ替わり時に家賃の上昇が見込めます。つまり、開発の波が訪れるエリアに物件を買い、さらに入居者が入れ替わることで家賃・物件価格が上昇し、ハイリターンが狙えるということです。

内藤忍

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