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スリランカ不動産投資 vol.4

そこで課題となるのが用地の取得で、現地有力者の人脈に食い込む必要があります。ただし、私がこれまで面会した現地の政府関係者や富裕層は日本からの投資を望んでいる印象を受けています。スリランカは仏教国であり、日本からODAを受けてきたことから非常に親日的で、日本人やジャパンブランドを高く信頼しています。近年は、内戦時に軍事支援を行った中国の存在感が高まっていますが、日本への期待感もあるようです。

内藤 なるほど。そうすれば、スリランカで不動産投資を始めるには、一般的な海外投資と同じく、デベロッパーが開発した物件を購入して国内外の富裕層や駐在員、ローカル向けに貸し出す、あるいは浦田さんのように現地法人を設立して用地を取得してデベロッパーとして取り組むというやり方があるわけですね。開発自体は現地とのコネクションも必要で莫大な資金も必要ですから、個人レベルとして現実的ではありませんが。

浦田 観光客も増えていることから、購入物件を旅行者向けにタイムシェアとして貸し出すという手段も考えられます。それに、コロンボには5つ星ホテルはいくつかありますが、100ドル程度で泊まることができる3つ星ホテルはとても少なく、稼働率は90%以上と高い水準を誇ります。ですから、各居室の所有権を販売するというようなビジネスが始まれば、狙い目かもしれません。

内藤 現状として、スリランカの不動産は物件が少なく、起こせるアクションは限られています。ですが、未知の状態だからこそ、新たな可能性が見いだせることも事実です。いまから現地の視察に足を運ぶとか、本格的なビジネスを視野に入れるなら現地法人を設立しておくなど、先回りができます。そして、物件開発が進めばいち早く購入するなど、機が熟すのを待てばいいのです。むしろ、多くの人が注目するようになってからでは、時すでに遅しかもしれません。

浦田 そうですね。もし、現地を見たいというかたがいるようでしたら、ご案内もします。また、今後は私自身もプロジェクトを本格化していきますから、興味を引くような物件を紹介できるかもしれません。もう少し、お待ちいただければと思います。

内藤 それは楽しみですね。浦田さん、本日はありがとうございました。

浦田 こちらこそ、ありがとうございました。

―――他の海外不動産投資と異なり、まだ白紙の状態に近いスリランカ。だからこそ、今後は魅力的な物件が出てくるかもしれない。そのとき、チャンスを逃さないためにも、いまからチェックしておくことが肝心だ。これはビジネスにも通じることだから、エンリッチの読者であれば容易に理解できることだ。近い将来、有望なマーケットとして注目される可能性は高く、期待を抱かずにはいられない。


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内藤 忍(ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。

大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」「究極の海外不動産投資」など多数。最新刊は1月末に出版した「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」。


浦田 健(うらた・けん)

株式会社FPコミュニケーションズ 代表取締役
一般財団法人日本不動産コミュニティー(J-REC) 代表理事
http://www.urataken.com

2002年個人向け不動産コンサルティング会社を創業。著書「金持ち大家さん」シリーズのほか不動産関連書籍多数。発行部数は業界最多の累計27万部超。2008年「すべての人に不動産の知識を!」を使命としJ-RECを創設。同時に「不動産実務検定」を開始。全国35カ所以上に教室を開設し、いつでも、だれでも、どこでも不動産実務知識が学べる環境をつくる。現在はクアラルンプールに拠点をおき、日本はもとよりアジアマーケットの不動産コンサルティングを手がける。

内藤忍

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