内藤 なるほど、そういった内情があるのですか。そうすると、不動産投資の初心者が、いきなり収益物件を見つけ出すのは簡単ではありませんね。例えば、都心の中古ワンルーム物件なら、地下鉄の駅から徒歩10分以内といった立地条件が揃っていれば当たり外れはあまりないようです。利回りも、例えば東京都港区なら4.2%といったようにある程度決まっていて、債券のような金融商品に近いと思います。もちろん、家賃の値下がりや空室リスクはある点は異なりますが。
ところが、同じ不動産でも1棟モノは物件ごとに管理状況や間取り、築年数など状況が異なりますから、その点の見極めは容易ではないでしょう。利回りが高いつもりが、まったくテナントが集まらない、買ってみてフタを開けたら物件の傷みがヒドく、修繕にお金がかかる、さらには管理など、見るべきことがたくさんあります。チェックやリノベーションを自分でできればいいですが、それも現実的でありません。
金田 内藤さんのお言葉通り、中古ワンルーム物件は、エリアや最寄駅からの距離、物件の広さで家賃がほぼ横並びで、事例もたくさんあります。しかも、同じ建物に同じ間取りの部屋がありますから、物件価格を把握することも簡単です。対して地方都市の中古マンションは、土地の形状や建物の規模はそれぞれ異なり、同じ事例がふたつとありません。相場の見極めが難しいので、そこで失敗する方もいるようです。
内藤 なるほど。だからこそ、金田さんのような立場の方が求められるのでしょうね。
―――中古ワンルーム投資とは異なり、物件の目利きスキルを求められるのが、中古1棟物件。金田氏が挙げたようなスペックのモノが目安になるようだ。そして、次に押さえたいのが、中古1棟だからこそのメリット。3回目はその点を掘り下げていこう。
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内藤 忍(ないとう しのぶ)
株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。
大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。
毎週発行する資産デザイン研究所メールは、購読者約12,000名。個人投資家の強い支持を受けている
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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」「究極の海外不動産投資」など多数。最新刊は1月末に出版した「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」。
金田大介(かなだ・だいすけ)
1982年生まれ、愛知県出身。
一棟収益物件に特化した東京都内不動産会社の執行役員。
業界歴は約10年、年間取引は30件45億円にのぼる。
宅地建物取引主任士
不動産コンサルティングマスター(公認)
ファイナンシャルプランナー(AFP認定会員)
法人(不動産ファンド、一般法人等)の売買取引に従事し、リーマンショック以降はサラリーマン投資家向け収益不動産の市場へ参入に現在に至る。
「負けない投資」をモットーに不動産投資の安定性、収益性、資産価値を顧客の将来設計に沿ってプランニングから実行・達成へと導く。
一般市場に出ていない【川上】の情報仕入ルートに強みを持ち顧客からのリピート購入率は70%を超える。