ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

香港のローカルバンク Vol.2

内藤 ところが、香港に日本のメガバンクや大手証券会社は本格的に進出していません。企業風土や人事制度など複雑な要因があるのでしょうが…。NWBはそこに注目して、アジアを代表する金融センターでグローバルに活躍する日本人の資産運用をサポートすることが狙いですね。

エンリッチ 内藤忍氏

中島 そもそも邦銀は国際派と国内派にわかれ、どちらかというと国内派が保守本流です。。また、海外展開する際も法人と証券がメインの業務で、国内リテール市場が大きい故に国際リテールの分野にまでは積極的ではないようです。香港は魅力的なマーケットであるにも関わらず、日系金融機関のリテール市場への参入が少ないわけですから、我々はそれをチャンスと捉えました。

内藤 香港の株式時価総額は過去最高額を更新していて、財産権の保護、汚職の少なさ、政府支出の少なさ、財政の健全性のほか、ビジネス、労働、通貨、貿易、投資、金融の自由度を100点満点で採点する「経済自由度指数」でも、香港は一貫してトップの座を占めています。

中島 だからこそ、先ほどの築地の話ではありませんが、付加価値の高い金融商品が生まれます。素晴らしい人材が世界中から集まり、情報交換を行うことで、良いファンドもできるということ。そういう市場に身を置くことで、つねにアップデートなサービスを提供できるということです。

内藤 NWBが、香港を選んだ背景がわかりました。そこで次に気になるのは、顧客セグメントについて。アジアに進出した日本人の資産運用業務がメインということですが、ここにも理由がありそうですね。

ーーー世界最大のウェルスマネジメント市場になりつつある香港。だからこそ、NWBはこの場所を選んだというわけだ。次回は、香港における資産運用についてトピックを広げよう。


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内藤 忍(ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)

大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」など多数。最新刊は「初めての人のための資産運用ガイド」(ディスカヴァー携書)。


中島努(なかじま・つとむ)

Nippon Wealth Limited,a Restricted Licence Bank
取締役兼CEO

1980年日本長期信用銀行(現 新生銀行)に入行、米国勤務を経て、金融商品開発部、頭取秘書、商品開発室長を歴任。1998年Goldman Sachs証券東京支店に入社、金融商品開発業務に長年従事し、政府系金融機関の証券化アドバイザーを歴任。2004年マネックス証券入社。CEO室長、戦略事業部長等を経て、取締役へ。2008年から中国事業を担当し、香港のBoom証券買収を主導、2011年Monex International 会長に就任、Boom証券取締役を兼務。2013年6月退任。
2013年7月より香港にて、取締役兼COOの長谷川建一氏とともにNWBの立ち上げに従事。日本・香港資本から成る初の資産運用サービス専門銀行の創業に至る。
東京大学経済学部卒

Nippon Wealth Limited,a Restricted Licence Bank

内藤忍

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