ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

香港のローカルバンク Vol.3

内藤 日本から口座開設ツアーを行うこともあるようですが、開いたものの英語が理解できず放置せざるをえない人は多いようです。

エンリッチ 内藤忍氏

最近は管理コストもかかることから、利用されない口座はロックされると聞いています。さらに、ロックされると解除のために電話をかける必要がありますが、そこでも英語に躓くという…。英語が話せない、小口の顧客は歓迎されないそうですね。

中島 おっしゃる通りで、せっかく素晴らしい金融商品が揃っていても、それを活用できないという現状があるのです。

エンリッチ 中島努氏 インタビュー

手前味噌になって恐縮ですが、こういった課題をNWBでは解消するように努めました。例えば言葉の壁に対しては、中国語、英語、日本語でのサービスをRM(リレーションシップ・マネージャー)が行います(書類のサインは中国語か英語)。また、預かり資産はHK$100万(日本円で約1500万円~)と間口も広げました。

ただし、PBが提供するようなコンシェルジュサービスは行わず、資産運用専門に特化する予定です。預かり資産が数百万ドルからで手厚いサービスを望む顧客は欧米の総合PBにお任せして、より多くの方にご利用いただきたいというわけです。目標としては、2020年末までに預かり金額4000億円程度を目指しています。

ーーー世界有数の金融センターであるからこそ、個人の資産運用先として魅力のある香港。一方で、言葉や預かり資産の壁もあるようだ。NWBは、そういった点を考慮して、新たな戦略で臨むという。次回7月の締めくくりは、国際分散投資の重用性について、金融のプロフェッショナル達が本音のメッセージを送る。


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内藤 忍(ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)

大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」など多数。最新刊は「初めての人のための資産運用ガイド」(ディスカヴァー携書)。


中島努(なかじま・つとむ)

Nippon Wealth Limited,a Restricted Licence Bank
取締役兼CEO

1980年日本長期信用銀行(現 新生銀行)に入行、米国勤務を経て、金融商品開発部、頭取秘書、商品開発室長を歴任。1998年Goldman Sachs証券東京支店に入社、金融商品開発業務に長年従事し、政府系金融機関の証券化アドバイザーを歴任。2004年マネックス証券入社。CEO室長、戦略事業部長等を経て、取締役へ。2008年から中国事業を担当し、香港のBoom証券買収を主導、2011年Monex International 会長に就任、Boom証券取締役を兼務。2013年6月退任。
2013年7月より香港にて、取締役兼COOの長谷川建一氏とともにNWBの立ち上げに従事。日本・香港資本から成る初の資産運用サービス専門銀行の創業に至る。
東京大学経済学部卒

Nippon Wealth Limited,a Restricted Licence Bank

内藤忍

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