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スリランカホテル不動産投資 Vol.1

スリランカ2

インフレ国では借りるより買ったほうが資産価値は上がるので、高値で賃貸に住もうとはしません。外国人投資家からすると、高級コンドミニアムに投資したのに、客付けは難しく、ヘタをすると出口を取るまで家賃収入ではなく手持ち資産から返済し、維持費を払うなんてことになりかねないと思いました。では、ローカルに貸すとすれば高い家賃が設定できず、安値で貸さざるを得ないということも考えられます。

内藤 投資対象が高級コンドミニアムだと、旨みがないということですね。

浦田 その通りです。コロンボ市内の一等地なら3000万~4000万円はしますし、それが倍の価値になるには時間もかかります。長い目で見ればキャピタルゲインは得られるとしても、その間のリスクが高く、インカムゲインが期待できません。海外投資家向けの高級物件が増えることでローカルマーケットの価格も上がると、スリランカ国民にとってもデメリット。この方向性は良くないと判断しました。

内藤 これまで、ASEAN各国、さらにはスリランカの不動産市場を見続けてきた浦田さんだからこそ導くことができた答えだというわけですね。

浦田 じつのところ、中華系やインド系のデベロッパーが外国人向けに最低価格5000万円、高いと3億円もする高級コンドミニアムの開発を始めていて、今年1月からローンチして4割売れているといっていますが、かなり怪しいと疑っています。

とはいえ、八方ふさがりというわけではありません。じつは、日本人向けに新たなプロジェクトを立ち上げ、来春にローンチする予定で、それが「マリンドライブホテル」というホテル投資のプロジェクトです。

—経済は著しく発展し、ローカル向け住居は200万戸も不足している、スリランカ。魅力的な不動産投資のマーケットだが、外国人向けに高級コンドミニアムを販売するという戦略は不向きだという。では、浦田氏はどういった戦略を練り、ホテル投資に辿りついたのだろうか。次回は、その点を探っていこう。


<イベント情報>
今回対談に登場している浦田健氏とホストと務める内藤忍氏が同行する、スリランカ視察のスタディツアーが11月26日から29日の日程で実施される。本文で紹介しているコロンボのホテル投資プロジェクトについて、専門家2人に現地でしてもらえる希少な機会。詳しくはH.I.S.まで ⇒ H.I.S.特設ページ 


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内藤 忍(ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。

大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

毎週発行する資産デザイン研究所メールは、購読者約12,000名。個人投資家の強い支持を受けている
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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」「究極の海外不動産投資」など多数。最新刊は1月末に出版した「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」。


浦田 健(うらた・けん)

株式会社FPコミュニケーションズ 代表取締役
一般財団法人日本不動産コミュニティー(J-REC) 代表理事
http://www.urataken.com

2002年個人向け不動産コンサルティング会社を創業。著書「金持ち大家さん」シリーズのほか不動産関連書籍多数。発行部数は業界最多の累計27万部超。2008年「すべての人に不動産の知識を!」を使命としJ-RECを創設。同時に「不動産実務検定」を開始。全国35カ所以上に教室を開設し、いつでも、だれでも、どこでも不動産実務知識が学べる環境をつくる。現在はクアラルンプールに拠点をおき、日本はもとよりアジアマーケットの不動産コンサルティングを手がける。

内藤忍

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