ホテルであれば、最初から内装はセットされていますから購入後に投資家が工事を手がける必要はなく、客付けもホテル側が行うという仕組み。ホテルの居室を投資家に販売して、稼働率に応じて配当するビジネスが成立すると考えました。地主に提案したところ6月に採用され、このほど「マリンドライブホテル」として、具体化にいたったのです。
内藤 そういう経緯があったのですか。とはいえ、浦田さんはコンドミニアムの企画や開発に携わったことはあっても、ホテル運営は未経験とお聞きしています。
浦田 物件の建設後は、著名ホテルチェーンのフランチャイズ契約のもと、私と地主の現地合弁会社によりホテルは運営されます。契約先は選定中で、日本の名だたるホテルチェーンはインバウンドへの対応に追われていて、興味があるけど手が回らないという状況でした。そこで、外資系チェーンに話をもちかけたところ、いくつか好感触をいただいています。これについては、確定次第開示する予定です。
内藤 仮にメジャーなホテルチェーンとフランチャイズ契約が結べれば、ブランド力も活かせるでしょうね。保有者が個別に賃貸の入居者付けをする必要もありません。むしろ、大手が世界中からお客さんを集めてくれます。
浦田 また、配当はホテル運営の純利益のうち積立金などを除いた一定割合を、保有者の投資額比率に案分して行う、プロフィットシェア方式を用います。ホテル全体の稼働率に応じて得られるというわけです。
内藤 つまり、運営で得た収益から、水道光熱費やリネンといった諸経費が差し引かれ、投資家に配当されるというスキームなのですね。わかりやすいと思います。
浦田 また、ホテルのフランチャイズ契約期間が経過した時点で施設の再評価が行われ、ホテルフランチャイザーと保有者(管理組合)の合意があれば再契約が行われます。ただし、その際は修繕や家具の入れ替えなど、保有者負担の追加費用が発生するかもしれません。
内藤 大手ホテルチェーンのブランド力を背景に、居室に投資ができるという、面白いプロジェクトですね。投資家自身に余計な手間やコストがかからない点も評価できます。
ーーー浦田氏が手がけることになったホテルプロジェクト「マリンドライブホテル」。居室に投資するという案件だ。次回は、その内容に迫っていく。
<イベント情報>
今回対談に登場している浦田健氏とホストと務める内藤忍氏が同行する、スリランカ視察のスタディツアーが11月26日から29日の日程で実施される。本文で紹介しているコロンボのホテル投資プロジェクトについて、専門家2人に現地でしてもらえる希少な機会。詳しくはH.I.S.まで ⇒ H.I.S.特設ページ
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内藤 忍(ないとう しのぶ)
株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。
大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。
毎週発行する資産デザイン研究所メールは、購読者約12,000名。個人投資家の強い支持を受けている
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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」「究極の海外不動産投資」など多数。最新刊は1月末に出版した「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」。
浦田 健(うらた・けん)
株式会社FPコミュニケーションズ 代表取締役
一般財団法人日本不動産コミュニティー(J-REC) 代表理事
http://www.urataken.com
2002年個人向け不動産コンサルティング会社を創業。著書「金持ち大家さん」シリーズのほか不動産関連書籍多数。発行部数は業界最多の累計27万部超。2008年「すべての人に不動産の知識を!」を使命としJ-RECを創設。同時に「不動産実務検定」を開始。全国35カ所以上に教室を開設し、いつでも、だれでも、どこでも不動産実務知識が学べる環境をつくる。現在はクアラルンプールに拠点をおき、日本はもとよりアジアマーケットの不動産コンサルティングを手がける。