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The Style Concierge

現代アート投資の歩きかた Vol.4

三井 もう一人、今津景さんは、今年3月のアート・バーゼル香港でも個展形式で出展する作家。フランシス・ベーコンを彷彿とさせるユニークな作風で、これまでカラヴァッジョやレンブラントなどのオールド・マスターが造った作品で、戦争や卑劣な行為などで破壊されてなくなった作品、デッドリストを昔の文献をもとに再現して、さらに自らの手で再び破壊するというプロセスを辿ります。つまり、「制作→破壊→再生→破壊」という見せ方をすることで、いかに人が愚かであるかを風刺するというスタイルです。コンセプトが面白いですね。

内藤 とても深い世界ですね。そういった、作者の思いを共有しながら楽しめるのも、現代アートの醍醐味ではないでしょうか。三井さんもおっしゃいましたが、現代アートは値上がりが第一ではなく、好きだからこそ取り組みたいジャンルですね。売りたくないなら売らずに、それこそ寄贈するという手もあります。値が崩れたとしても、作品自体が魅力的なら飾っておけばいいのです。

エンリッチ マネーカフェ4-2

三井 アートは希少性の高い物に対する現物投資という側面もありますが、楽しみながらやってほしいと思います。手始めには、アートフェアに出展している有名なギャラリーから尋ねてみると良いでしょう。骨董屋で自分の目利きを試すというのもありますが、やはり怖いですしね。それよりは、一生懸命取り組んでいるギャラリストから買うのが一番です。

また、ギャラリストは自分の好みで作家を選びますから、彼らと一度話をして、相性を確かめるのもポイントです。そこから気に入る作家・作品を見つけていきましょう。

また5月に「アートフェア東京」が国際フォーラムで開催される予定です。今年は過去最高の出店数となるようですので、足を運んでみてはいかがでしょうか。

内藤 私は、三井さんと出会って現在アートに興味を持ちはじめましたが、ますます関心は高まりそうです。本日は、ありがとうございました。

三井 こちらこそ、ありがとうございました。

 
ーーーとても奥が深い、現在アートの世界。エンリッチの読者にもマッチした、趣味になるのでは。ギャラリーに行くのも良し、三井氏のようなアートディーラーに頼ってみてはいかがだろうか。


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内藤 忍(ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。

大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

毎週発行する資産デザイン研究所メールは、購読者約12,000名。個人投資家の強い支持を受けている
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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」「究極の海外不動産投資」など多数。最新刊は1月末に出版した「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」。


三井一弘(みつい・かずひろ)

ミツイ・ファイン・アーツ代表
美術商、アートディーラー
NBS Chapman University校卒業。帰国後国内にて現代美術作家として数々の展覧会を開催。1997年オークションハウス・クリスティーズ(NY)に於いて開催されたイブニングセールで、ピカソ作「アルジェの女」が当時ピカソの最高落札価格にあたる38億円で落札される衝撃的な瞬間に立ち会う。その体験を機に美術商に転身。

1999年、美術界で世界的権威を持つウイルデンスタイン画廊(NY)の東京店、ウイルデンスタイン東京に入社。イタリア・ルネサンス絵画やフランス絵画初期のフォンテーヌブロー派を始め、フランス・ルイ王朝のロココ、バルビゾン派、印象派。そしてジム・ダインなどの現代美術や版画、写真アフリカ・プリニティブ・アート(原始美術)と多岐に渡って取り扱う経験を持つ。

2014年からは東横イン元麻布ギャラリーに移り企画展の開催やアートファクトリー城南島のサポート。そして今春からアートディーラーとして独立を果たした。

現在は、これまでの経験を活かして古典絵画から若手現代アートまで幅広く作品を紹介。アートに興味を持つ初心者には現代アートや市場を解りやすく解説したアートセミナーを開催。アートファンのすそ野を広げる活動に力を注いでいる。

エンリッチ編集部

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