昨年はこれらふたつの出来事が政治的・経済的にインパクトがあり、資産運用の世界にも大きく影響を及ぼしました。
ブレグジッドによりポンドは乱高下、米大統領選の開票日はドルが売られることに…。株式市場も大きく乱れ、当日の日経平均株価は1000円以上も値を下げて取引を終えました。
ところがその後、トランプ氏への期待から世界的に株価は上昇へ転じることに…。日経平均株価は年末直前で年初来高値を何度も更新し、イギリスEU離脱の頃、米ドル/円相場は100円を割るかもしれないという話だったのが、昨年12月半ばには117円台まで上昇しました。これも多くの投資家は予想していなかったことです。リスクマネーは株式に向かっていて、何か起きると調整局面を迎えるかもしれませんが、企業業績や雇用関係は先進国を中心に改善しているので、急落するとは考えにくいでしょう。
とりわけ、今年は世界中の投資マネーがアメリカに集まると私は見ています。いくつか理由があり、そのひとつがFRBによる米国の利上げです。昨年12月に1年ぶりに実施して、今年も数回かけて行うのは織り込み済みの話で、一方、ユーロ圏や日本はゼロ~マイナス金利の状態ですから、金利差から見たアメリカに対する資金流入が期待できます。基本的にお金は金利の高い通貨に向かいますから、投資・資産運用の定石から見ても、ドルが買われる可能性は高いということ。具体的には日本やユーロ、新興国からアメリカにお金が移動するということです。
ーーーブレグジッドと米大統領選におけるトランプ氏の勝利。思いもよらなかった結果に、世界が震撼したことは事実だ。内藤氏いわく、今年は投資マネーがアメリカに向かうとのことだが、次回もその理由を語っていただこう。