内藤 グローバリゼーションをしていないというか、昔の「古き良きアメリカ」が好きな米国民にとって、トランプ氏は魅力的な大統領に映るのでしょうね。「我々はメキシコ人に雇用を奪われ、搾取されている。彼らを追い出せ!」といった心情でしょうか。
池田 そういった面があるのかもしれません。トランプ大統領の過激ともとれる発言は、彼らからの支持を集めるのに、深く影響しました。
しかしながら、トランプ大統領は政治家に転身するまで、非常に優れたビジネスマンとして名を馳せた人物であることは周知の通り。荒唐無稽な言葉も、結局は大衆の心をつかんでいます。昨年末も、「アメリカを、みんなで『メリークリスマス!』を堂々と祝える国にしよう」と述べていましたが(今は他の宗教の人たちに気を使って、ハッピーホリデーと言うのが一般的)、アメリカ国民のマジョリティはクリスチャンですから、とてもウマいコメントだと思います。
選挙戦で掲げた公約をすべて実行するかというと、現実的には難しい面もありますが、何が大衆から受けるか理解したうえでの作戦だと捉えています。
内藤 トランプ大統領はショー番組で司会をしていたこともあり、大衆の心をつかむプレゼンテーションスキルもあると聞いています。そういった意味で、確信犯的に仕掛けているのでしょうね。
ーーー賛否が渦巻くなか、いよいよ発足した、トランプ政権。具体的な政策はこれから出てくるだろうが、それにより米国景気はどうなっていくのだろうか。次回は、NYにおける景気、不動産投資のリアルについてお伝えしよう。
池田将洋(いけだ・まさひろ)
Ikigai Realty パートナー
大学時代サッカーで日本一になり、自身もプロを目指す。サッカー引退後は日本リクルート社に入社して、不動産業界を担当。リクルート退社後、ニューヨークに渡米、不動産会社に入社。2年目でトップ営業になり、3年後からは自身でも不動産投資を始め、パートナーシップでニューヨークに不動産ビルを所有。現在は、不動産会社 Ikigai Realty をパートナーと共に設立した