ENRICH(エンリッチ)

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NY不動産投資 最前線レポート 2/4

トランプ大統領は公共投資を刺激するなど財政刺激型の政策を掲げていますが、それに伴い国債の発行が増加、長期国債の金利も上昇するということで、すでに兆候は起きています。

エンリッチ 内藤忍 NY2-2

ところが、長期国債の金利が上がっても、銀行がさらにスプレッドを縮めて融資を行えば、市場の金利は上昇してもローン金利が下がる可能性はあると思います。多くの人はアメリカの市場金利が上がるならローン金利も同様だと考え、アメリカの不動産投資は鈍化するという説もあるほどです。ところがまったく正反対の流れになりそうだということで、こういう情報は日本にいるとなかなか手に入りません。とても貴重です。

池田 1年~2年の短期視点だとローン金利が上がって、不動産価格は安くなるかもしれませんが、5年~10年のロングタームだと、そういった流れになると考えています。そもそも、30年前にアメリカで家を買うと、ローン金利は17.5%など非常に高金利でした。ところがその後は下落の一途で、反転上昇したことはありません。いまは市場最低の金利水準で、それが8%台に戻るとは考えにくいのです。絶対とは言えませんが、可能性としては極めて低いと思います。

内藤 世界的に成長する機会や場所が減ってきていますから、高い金利でお金を借りたところで、投資先が見つかりません。銀行としても、安い金利で貸さざるを得ないのでしょうね。

池田 ならば、アメリカで不動産投資にトライする人にとって、悪い話ではありません。NYにいたってはレジデンシャルの空室率はまったく上がっておらず、マンハッタンだと1%程度で推移しています。他方、供給が増えているといっても場所が限られ、それよりもスピーディに人口が増えているほど。こと、レジデンシャルのレント料は高止まりの状況です。マンハッタンやクイーンズの物件価格もいまだに上昇を続けています。

ーーー非常に良好だとアメリカ景気。中央銀行は金利を引き上げたが、池田氏はローン金利は下がっていくとも。不動産投資の環境も決して悪くない。次回も引き続き、現地の情報を探っていこう。


池田将洋(いけだ・まさひろ)

Ikigai Realty パートナー 
大学時代サッカーで日本一になり、自身もプロを目指す。サッカー引退後は日本リクルート社に入社して、不動産業界を担当。リクルート退社後、ニューヨークに渡米、不動産会社に入社。2年目でトップ営業になり、3年後からは自身でも不動産投資を始め、パートナーシップでニューヨークに不動産ビルを所有。現在は、不動産会社 Ikigai Realty をパートナーと共に設立した

内藤 忍 (ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関勤務を経て1999年にマネックス証券の創業に参画。同社は、東証一部上場企業となる。その後、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役などを経て、現職。著作は40冊以上。2015年には銀座に「SHINOBY`S BAR 銀座」をオープン。無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」は購読者が約47,000人という人気

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内藤忍

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