アジアの「ライジング・スター」として高く評価
中尾 10年前まではアジアのなかでも蚊帳の外でしたが、2004年に財政健全化に成功して経常黒字国へ転換。英語が母国語で、2011年にはコールセンター市場で世界1位に上り詰め、昨年6月には米格付け会社ムーディーズは、フィリピンは今後、世界のほとんどの国を上回って成長する「アジアのライジング・スター」として高く評価しています。
内藤 東南アジア各国を比較すると、1人あたりGDPは、人口550万人でシンガポールの5万2000ドルを筆頭に、2位マレーシア(人口2800万人:1万ドル)、3位タイ(人口6900万人:5300ドル)、4位インドネシア(人口2億4000万人:3500ドル)、5位フィリピン(人口1億人:2600ドル)、6位ベトナム(人口8700万人:1520ドル)、7位カンボジア(人口1400万人:933ドル)、8位ミャンマー(人口6300万人:834ドル)と、フィリピンは真ん中くらい。ところが貧しいかというとそうではなく、中尾社長がおっしゃるとおり、フィリピンは経常黒字の国家。外国に出稼ぎをする人からの送金が豊富なことも含め、外国のお金をアテにしないでも経済が成り立っています。ですから、仮にリーマンショックのようなことが再び起きても、巨額の外資が引き上げられるようなことはありません。自国のお金だけで資金調達ができるので、経済に脆弱性が見られないのです。フィリピンとは、実のところ経済的に優良な国家だということがデータからわかります。
ーーー経済成長が目覚しく、コールセンタービジネスでも世界トップを誇るフィリピン。これは意外だった。では、不動産投資の観点からは魅力があるのだろうか。次回はここにフォーカスを絞り、対談を進めていこう。
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内藤 忍(ないとう しのぶ)
株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。
大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。
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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」など多数。最新刊は「究極の海外不動産投資」(幻冬舎)
中尾孝久(なかお・ たかひさ)
フォーランドリアルティネットワークジャパン株式会社 代表取締役
1975年和歌山県生まれ。
大手投資会社を始め10年以上金融業界で為替、株式のリテール部門で活躍。その後、外資系証券会社のセールスヘッドを経て、2012年フォーランドリアルティネットワークジャパン株式会社取締役に就任。2014年同社代表取締役就任。
累計100本以上のマレーシア、フィリピン不動産セミナーの講師を担当。現地の最新情報を織り交ぜつつ、金融業界出身らしい独特の観点から海外不動産の魅力を分かりやすく解説するセミナー内容は、毎回好評を博している。