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【21】金融資産と実物資産の適切な比率とは?

投資資金が1000万円以下であっても、ローンを組んで国内の不動産投資をする方法もあります。金融資産を使った投資よりはリスクが高いと言えますが、その分資産を増やすスピードを早められる可能性が高くなります。

こうやって増やした資産が1000万円を超えたら、実物資産への投資を検討しても良いと思いますが、金融資産とは異なり、どの物件を買うかによって結果が変わってきます。特に海外不動産の場合は、現地に行って物件を見るだけではなく、管理会社の管理能力や、販売会社の信用力などを確認した方が良いでしょう。

資産規模が大きくなればなるほど、実物資産の比率を増やしていくことができます。一定の金融資産を保有していれば、急な資金需要が発生した時でも、その範囲で対応することができるからです。

資産が3000万円を超えてくれば、実物資産の比率が50%を超えても問題無いと思います。ただし物件の吟味は必須です。

ちなみに、私個人の運用資産の80%以上は国内外の実物資産に配分しています。この比率は万人に当てはまるとは思いませんが、実物資産の比率を高めることによって、金融マーケットの変動に一喜一憂することなく、ストレスの少ない投資を継続することができています。

金融資産と実物資産の比率と円と外貨の比率は資産運用の成果を決める重要な要因になります。個別の銘柄を選んだり、為替の投資タイミングを考えたりする時間があるなら、資産の配分方法にエネルギーを使った方が、賢明な投資ができることは確かです。

内藤 忍 (ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関勤務を経て1999年にマネックス証券の創業に参画。同社は、東証一部上場企業となる。その後、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役などを経て、現職。著作は40冊以上。2015年には銀座に「SHINOBY`S BAR 銀座」をオープン。無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」は購読者が約47,000人という人気

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内藤忍

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