資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、本シリーズ。今回のテーマは、資産運用の始めかたです。金融資産、それとも実物資産のどちらに投じれば良いのでしょうか。内藤氏の見解は以下の通りです。ーーー
金融資産と実物資産、どちらに投資するのが良い?
Q(質問者):余裕資金を使い、投資をはじめたいと思います。内藤さんのセミナーで金融資産に投資する方法と、ローンを組んで不動産に投資する方法があるとお聞きましたが、どちらが良いでしょうか?
A(内藤氏): 相談者のように、あまり投資経験のない方が資産運用を始めようとする場合、まず手元に置いておく資金を決めて、それ以外の資金を投資に活用していくのが良いでしょう。
最低でも確保しておきたい手元資金は、生活費の3カ月分。残りを投資に回すという考えです。余裕資金が潤沢にある場合は、「最悪、減っても生活やビジネスに影響しない」という分を用意すれば構いません。
投資の方法は大きく2つが考えられます。
1つ目の方法はインデックスファンドを使って分散投資をすることです。
インデックスファンドは1000円単位で投資ができ、毎月の積立も可能です。まずは100万円くらいで始め、資金を追加で投入することもできます。ネット証券に口座を開き、販売手数料のかからない低コストの商品を選択するようにしましょう。
どのファンドを選ぶかは、資産配分から決めていきます。外貨と円貨、株式と債券の配分比率を決めて(アセットアロケーション)、複数の商品を組み合わせていくことになります。
もう1つの方法が、余裕資金を頭金にして、不動産を購入する「レバレッジ投資」です。
これは、借入によって2000万円程度までの物件を所有し、その家賃収入からローンを返済していく方法です。お金を借りる力を投資に活用する手法と言えます。
日本国内では賃貸利回りとローン金利の差が3%近くありますから、このような投資が可能になるのです。
ただし、レバレッジ投資には、空室リスク、家賃下落リスク、金利上昇リスク、物件リスクなどの金融商品とは異なるリスクがあります。また、金融機関からの借り入れには審査があります。
2つの方法をご紹介しましたが、どちらの方法が良いというわけではありません。インデックスファンドにしても元本保証の記入商品ではなく、値動きによってはマイナスを計上することもあります。自分がリスクをどの程度取りたいかを考えた上で選択することです。