いよいよレーススタート
そしてフィニッシュ
満を持してレースがスタート。欧州各社のGTマシンがひしめき合いながらダッシュしていく。これだけのヨーロピアン・スーパーカーばかりが集まって、咆哮を上げながら猛然と走る姿は圧巻。こんなシーンを日本で見られる機会は少ないだろう。
レース前のトークショーで「ベントレーによる1・2・3フィニッシュを決めたい!」と意気込みを話してくれた澤選手。その意気込みを感じる熱いスタートだ。
ベントレーの3台のうち澤選手が乗る8号車は、3番グリッドからのスタート。彼の落ち着いたスタートで、すぐに1台を抜き去り2番手に。トップを走るランボルギーニ・ウラカンを猛追する序盤戦となった。ところがレース中盤、フロントスポイラーが外れかけるトラブルが発生。全力を出すことができない状態となってしまった。ピットインして修理するのと共に、ジョナサン選手にドライバーを交代。同時にタイヤも交換した。ところがジョナサン選手は、まだ温まっていないタイヤをコントロールしきれず、コーナーをオーバーラン。再び順位を落としてしまった。
その後、再びステアリングを握った澤選手は、本来の走りでアグレッシブな攻めの走りを見せ、順位は再び2位に。ただ時はすでに遅かった。首位ランボルギーニを捉えることができず、そのまま2位でフィニッシュ。
優勝は逃したものの、日本人ドライバーによる母国レースに対する情熱が伝わる走りに拍手を送らずにはいられなかった。
*ベントレーチームの他2台は、9号車が4位、7号車が12位。
レース後の報告会
レースを終えたドライバー達が再びVIPルームに登場。ゲストに結果報告を行った。
海外で過ごす時間の多い澤選手だが、やはり母国日本でのレースについては思い入れは深いようだ。「惜しくも2位となってしまったものの、この富士スピードウェイでの活躍を、来場してくれたゲストはもちろん、日本のモータースポーツファンにその姿を見せられられたことについてはよかったと思う」と澤氏。
レース後のインタビューを終えると、続いてゲストのための賞品プレゼント大会まで用意されていた。ゲストは澤選手にジャンケンで勝つと、賞品をゲット。ベントレーグッズはもちろん、子供たちが喜ぶキッズアイテムまであり、1日の最後をゲスト全員が楽しそうにすごしていた。
今回の観戦では、レース開始前の午前中からレース終了後の夕方まで、ホストであるベントレーの行き届いた心遣いが印象的だった。
澤圭太選手からのメッセージ
この日の最後に、澤選手からエンリッチ読者に向けて2つのメッセージをいただいた。
まだモータースポーツを知らないベントレーオーナーにメッセージをお願いします。
「普段、最上級な空間を提供してくれるベントレーが、こんなにも違う姿で走る姿を是非知ってほしいですね。ウッドやレザーの内装が取り払われ、金属のむき出しになったその姿を見ると、ドライビングカーとしての素養を十二分に持っていることがわかるはずです。そしてその車がレースフィールドで活躍する姿を見れば、きっとベントレーを愛する気持ちが更に強くなりますよ。」
では、ベントレーを知らないモータースポーツファンにメッセージはありますか?
「ベントレーが走るレースカテゴリーはあまり多くなく、日本で見られる機会も少ないため、モータースポーツにおけるベントレーの知名度は低いかもしれないですよね。ですが、速さではドイツやイタリアなどのクルマと互角以上に戦える力があり、スポーツカー、レーシングカーとしての魅力も十二分にあるんです。今後、新たなレースカテゴリーへの進出の可能性も含めて、ベントレーに注目していただきたいですね。」
なるほど、こういう視点を持って、モータースポーツ観戦をしてみると、また違った愉しみ方が見出せるかもしれない。
いかがだろう?レース観戦がちょっと気になられたなら、サーキットを訪れてみてはいかがだろうか。
しばらく忘れていたワクワク感に出会えるかもしれない。
関連情報
レースの映像
当日のレースの模様は、 以下で映像を見ることができる。
TEXT:矢崎秀樹