資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。6月は、東京都内の不動産会社に勤務し、個人投資家向け収益不動産の売買・仲介を手がける、金田大介氏をゲストにお招きし、国内中古1棟不動産投資をテーマに対談。こういったタイプに投資する際の注意点とは?(vol.1から見る)
中古1棟物件のリスク
内藤 エリアなどで条件は異なったり、地方都市にある中古1棟モノの物件で、収益性や銀行評価を受けやすい目安はあるのでしょうか。
金田 市場の割安感というものは相対的なものなので明確に表現するのは難しいのですが…例えば利回り9~10%、建築時期は平成元年前後、つまり築年数が20年~30年、鉄骨やRC構造、全国の政令指定都市や県庁所在地といった物件であれば競争力は高いと考えられます。また都心部に比べて地方都市は土地が広く建物が低層となる傾向がある為、銀行からの融資評価が高くなりサラリーマン投資家にとって自己資金をなるべく抑えてレバレッジの効いた融資を受けやすくなります。
内藤 中古の1棟モノなら何でも良いわけではなく、セレクティブに探す必要がありそうですね。実際のところ、どうやって物件を仕入れているのでしょうか。
金田 やはり不動産業者間の人脈・ネットワークに尽きます。全国の大手不動産会社から中小零細不動産会社のネットワークを活かし情報収集しております。不動産業界でも「千三つ」と言う言葉が当てはまります。つまり優良情報は3/1000=0.3%というところでしょうか。
具体的に取引に至る案件としては相続物件ですね。比較的裕福な高齢者で、親から受け継いだ物件を持っているものの、手入れは酷くてボロボロ、空室率も高くこれから大規模修繕する気もないという方が、資産処分してキャッシュを回収しようというケース。これがチャンスであり「市場の歪み」と言えます。
その場合、まずは1億円の価値が出るであろう物件を7,000万円で交渉します。さらに取得後は1,000万円ほどかけて修繕を行い、入居率を上げ8,000万円程度でお客様にご提案する流れですね。この「市場の歪み」をキャッチすることにより割安にご提供しています。その他、不良債権による早期売却案件もあり、我々はそういった情報を収集するネットワークとノウハウを持ち合わせています。