資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。8月のゲストは、クラウドファンディングを手がける「クラウドクレジット」の杉山智行社長。
ネットを通じて投資家から資金を募り、南米や欧州で運用するというビジネスモデルを展開しているが、その実情に迫っていこう。
金融機関での経験が、起業へのヒントに
内藤 本日はご多忙ななか、ありがとうございます。私が講師を務める『丸の内朝大学』の受講者が、クラウドクレジットに転職したことをきっかけに、杉山さんとはご縁を頂戴しました。お聞きしたところ、日本でも新規参入が相次ぐ、クラウドファンディングを手がけているそうでうね。国内であれば、「ミュージックセキュリティーズ」などが知られています。
杉山 当社は2013年に創業した、スタートアップベンチャーです。そもそも、クラウドファンディングとは、ネットなどを活用した専用のプラットフォームを使い、不特定多数の出資者を募り、ある目的を持った事業法人や個人に対して資金提供を行うというもの。
出資者は、当社のようなプラットフォーマーが提供する、様々なプロジェクトのなかから自分が資金提供したい案件を見つけ、その後は、実施状況の報告を受けたり、リターンとして出資対象からサービスや商品を受け取る、あるいは配当を得られるという仕組みです。
私どもの場合は、金銭的なリターンを見込む「投資型クラウドファンディング」を中心にビジネスを展開していて、これまでに総額約1億4000万円の出資を得ました。
内藤 クラウドファンディングは、アメリカを中心に発達してきましたが、現在はアメリカや中国で大きな市場に成長しています。両国では、国内で出資者を募り、国内のビジネスに投資するというスタイルがメインですが、クラウドクレジットでは世界に投資する商品を日本人向けに提供しているのが特徴ですね。