ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

BMW 7 シリーズ

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フラッグシップモデルに搭載される
最新ジャーマンテクノロジー

輸入フルサイズサルーンにおけるSクラスは絶対的な存在だ。マセラティやベントレー、ポルシェにもパネメーラなんてのがあるが、その数は比ではない。もちろん、続くのはBMW7シリーズ。だが、彼らにとってその背中はかなり遠いらしい。なので、先日こんな言葉をBMW関係者に投げかけてあげた。「後を振り向いてご覧。はるか後方にA8がいるよ……」と。

それはともかく、新型7シリーズのテストドライブをしたのでご報告しよう。場所はポルトガルの港町ポルト。その中心地から郊外のホテルを往復するように試乗した。

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新型は6世代目となる。スタイリングは正常進化で、このクラスのマーケットが保守的であることがわかる。4世代目だったと思うが、時のデザインディレクター、クリス・バングルが世の中をあっと言わせたようなことはそうそうない。

それではなにがキモなのか。ひとことで言えば軽量化だ。

新型はフレームをアルミニウムとカーボンファイバー、高張力スチール、マグネシウムで成形する。ここで勘のいい方は察しがつくだろうが、BMWはiシリーズのノウハウをここに投入した。もちろん、すべてがカーボンファイバーでは値段が跳ね上がってしまう。そのためそれを必要最低限使うことにした。

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ボディ設計の担当者によるとアルミで筒を作りその中に緩衝剤のようにカーボンの成形パーツをはめ込んでいるらしい。それで剛性を高めながら軽量化することを具現化した。窓枠となるピラーはそうしてつくられる。

そしてそれがそのまま走りに直結する。顕著だったのは730dというディーゼルエンジン搭載モデルに乗ったとき。ディーゼル特有の太いトルクが出だしからグイグイ車体を前へ押し出すのだが、そのときの俊敏さはこれまで以上。またコーナリングでもそうで、このサイズにおいてこれだけ軽快にコーナーを曲がっていくクルマは珍しい。まぁ、それがBMWと言ってしまえばそれまでだが、3シリーズに通じる彼らのこだわりを十二分に得た。

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なんて感じで走りを楽しんでいたが、7シリーズともなればラグジュアリー装備もそれなりに楽しくなる。ロールスロイスの天井からインスパイアされたというスカイラウンジや、12パターンで妖艶なムードを演出する室内間接照明、いわゆるアンビエントライトなどユニークなものもある。

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がしかし、その最たるモノは他にある。世界初無人運転による自動駐車システム“リモートコントロール・パーキング”だ。

九島辰也

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