資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。「2016年新春特別編」の第2回目は、内藤氏が注目する金融・投資トピックについて伺った。(Vol.1から読む)
所有欲を満たしながら値上がりを期待
「現代アート投資」に関心
新たな金融商品や投資対象の市場も成熟しつつあります。私がいま興味を持っているもののひとつは、一風変わっているかもしれませんが、「現代アート」です。
これはワイン投資に似ていて、有望な作家の作品を買っておき、美術品として楽しみながら、将来の値上がりを期待するというもの。全てのアートが値上がりする訳では無く、目利きが命ですが、「もしかすると…」ということはあります。
例えば、ポップアートとして有名な、アンディ・ウォーホルの、4種類の色違いの作品がある「マリリン・モンローリップス」はあまりにも有名です。これは、1980年代に600万~700万円という価格だったそうですが、最近では1点80億円で落札されたと報じられました。ヘッジファンドの創業者、ギリシアの海運王など、世界有数の資産家が所有しています。
皆さんもご存じのピカソやゴーギャンといった作家の名作であれば、今や200億~300億円の世界です。たった1枚の作品が、これほどの付加価値を生み出すのが、現代アートの特徴と言えるでしょう。
ただし、投資として捉える場合は、戦略的な考えも求められるようです。「NYで個展を開いた」「世界最大の現代アートフェアの『アートバーゼル』に出品した」「エルメスなどハイブランドとコラボした」……など、作品や作家に一定の評価がつかないことには注目されることもなく価格はなかなか上がりません。ワインだって、ワイン評論家のロバート・パーカーから高い評価を得ると価値が高騰しますが、それと同じことです。無名の作家でも、こういった活躍が期待できるなら、青田買いしておくという手もあります。