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国際ブランドプリカの世界 1/3

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ブラック・プレミアムクラスを中心に、ポイ探の菊地崇仁氏が、クレジットカードの隠された使い方や機能を探っていく本企画。今月のテーマは「国際ブランドプリペイドカード(プリカ)」。近年は、カード各社が力を入れているジャンルだというーーー

エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地崇仁です。先月のエントリーでも軽く触れましたが、今月はカード各社が力を入れている「国際ブランド付きプリペイドカード(プリカ)」についてお話したいと思います。現金以外の決済手段といえば、クレジットカードや電子マネーが多くを占めていましたが、これに加わる新たなマネーインフラとして地位を高めていく可能性が高く、ここで、そのメリットや活用法、今後について触れてみましょう。

ラインナップが増えていく
カードタイプの国際ブランドプリカ

国際ブランドプリカは珍しい存在ではなく、以前から「バーチャルタイプ」を中心に流通していました。これは、ネットやコンビニなどで購入するとIDなどが付与され、ネット上の国際ブランド加盟店で使えるというものです。クレジットカードは事前に審査があり、利用可能額の範囲内でポストペイ(後払い)であるのに対して、プリカ(前払い)ということもあり審査が比較的緩く、個人情報の登録も不要というカードもあることから、「ネットでクレジットカードを使うのは不安」「オンラインゲームの課金に使いたい」といった層を中心に流通が増えていきました。

ところが、最近のトレンドは「カードタイプ」の国際ブランドプリカが増えてきたことです。Visaが断トツに多く、プロパーもしくは提携カードが数多く出回るようになりましたが、MasterCardやJCBも追随していて、バーチャル、カードタイプ含めアメックスとダイナース以外はリリースしているといった状況です。バーチャルタイプでは「5000円」「1万円」というように複数の券種が用意されていて、それを購入するというスタイルが大半でしたが、カードタイプでは、上限までであれば何度もチャージして使えるモノがほとんどです。

日本人のクレジットカード利用率は個人消費の17%程度で、欧米やお隣の韓国に比べると低い水準。一方で、カードの発行枚数は2億3000枚以上と、飽和状態です。国民性として、後払いや個人情報の漏えいに対する不安・不信があるようですが、とりわけ高齢者の利用は少ないようです。

そこでカード各社としては、安心・手軽に使うことができる決済手段として、プリカの普及を促進したいというのが狙いでしょう。それこそ、クレジットカードは18歳以上でないと持つことができず要審査ですが、プリカであれば一部を除き子どもでも保有することができます。小さい頃からカード決済に慣れておけば、「揺りかごから墓場まで」ではありませんが、大人になった後もクレジットカードに移行する可能性も高いということです。今後も、ますますリリースは増えていくと考えられます。

ーーー新たな決済手段として、認知度を高めつつある国際ブランドプリカ。そこには、カード各社の戦略が見え隠れするようだ。次回は、そんなプリカのメリットについて迫ろう。


菊地宗仁_300

菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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