スイム(水泳)・バイク(自転車)・ラン(長距離走)の3種目からなるトライアスロン。未経験者からすれば「己の限界を追求するストイックなスポーツ」というイメージがあるかも知れないが、ここ数年、多くのカリスマ経営者や芸能人がトライアスロンに夢中になっている。
タフな毎日を過ごす彼らは何故トライアスロンにひきつけられるのか?人間の身体を熟知した医師にもファンが多いのも気になるところ。
昨今では子ども、女性、高齢者と老若男女を問わず楽しめる競技としてその裾野を広げているこのスポーツの魅力を、エンリッチ読者にわかりやすく紐解いていくシリーズのスタートだ。初回となる今回は、トライアスロンの魅力を5つあげてみよう。
*2016年にスタートした連載を再構成してお届けしています
1.健康で強い身体を手に入れる
今回お話を伺ったのは、都市型トライアスロンコミュニティとして多くのメンバーが所属する「青山トライアスロン倶楽部」の代表関口秀之氏。同倶楽部は、初心者にも優しいトライアスロン倶楽部として2010年に設立。なんと当時は関口氏もまったくのトライアスロン未経験という立場だった。
「資産も大事だけど、一番大事なのはなんといっても健康ですよね。健康であることが一番の価値。それは唯一無二のもの。皆さん、トライアスロンをはじめてみようかなと思う年齢は40代が多いんです。私自身も40代ではじめました。仕事をバリバリこなす生活を何年も続けていると、40代あたりはちょうど健康を考え出す時期。人間ドッグの結果が気になるとか、昔はスポーツやってたけど最近メタボ気味になったとか、なにかと健康と向き合うタイミング。そのときの選択肢のひとつとしてトライアスロンがあるんです」。
単発の競技と比べてスイム・バイク・ランという3種目をこなすトライアスロンだが、実は疲労やケガはフルマラソンよりも少ないという。それは、3つの種目でバランスよく筋肉を動かすためだ。そして、マラソンに比べて疲労感よりも達成感、充実感に満ちあふれている。
トライアスロンと一口にいってもさまざまな種類があり、一番多いタイプは「スタンダードディスタンス」もしくは「オリンピックディスタンス」と呼ばれるスイム:1.5Km、バイク:40km、ラン:10kmのタイプだ。まったくのカナヅチでなければ、初心者でも3ヶ月ほどの練習で大会に出られるという。
「実は、距離が長ければ長いほどツラいということでもないんです。肉体的には比例して大変になるけど、それに打ち勝つ身体を作るという目的がありますから。上手く結果に結びつかないときは原因を分析して、次回は改善してチャレンジ。それによって成長していく。そこは人も企業もいっしょですよね」。
達成感と健康を同時に手に入れる。トライアスロンのシーズンは国内が4~11月。冬には南国の大会に遠征すれば、1年を通して親しめるのだ。そこに単一種目の水泳大会、マラソン、自転車レースなどにも参加すれば、365日の習慣として続けられるだろう。「通年で健康増進を図れる」。これがトライアスロンの大きな魅力だ。