ブラック・プレミアムクラスを中心に、ポイ探の菊地崇仁氏が、クレジットカードの隠された使い方や機能を探っていく本企画。4月のテーマは「銀行や証券会社とポイント」の関係について。マイナス金利時代に入ったいま、戦略的に選ぶ視点が求められるという。
エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地崇仁です。前回は、海外で発行されているプレミアム系カードを紹介するとともに、カード各社や提携各社のポイントに対する新たな取り組みに触れました。大手百貨店が共通ポイントを導入したり、大手デベロッパーと提携するなど、これまでにない取り組みは、じつに興味深いところです。
マイナス金利時代の
金融機関選びとは?
そして今回は、銀行や証券会社のポイント戦略に触れたい次第です。近年は、取引に応じて独自のポイントや共通ポイントを付与するケースが増えていて、ユーザーの口座選びの基準になりつつあります。1月下旬には、本邦初のマイナス金利が導入され、メガバンク、地銀、ネットバンクを問わず、軒並み預金金利の引き下げを始め、普通預金であれば、0.02%から20分の1の0.001%と大幅にダウン。100万円を1年間預けたとしても、得られる利息はたった10円ということで、銀行にお金を預ける意味は、ほぼなくなってしまいました。
一方で、各行はこういった預金者のデメリットを解消するため、あるいは預金者も預金ではメリットを得られないことから、ポイントに注目する動きがあるようです。近年、ネットバンクを中心に、取引実績に応じてポイントを付与するサービスは始まっていて、これが、マイナス分を補てんするというわけです。一度に得られるポイントは少なくても、年間を通じればそれなりになるケースもあり、これは見逃せません。
証券会社にも同様の施策はあり、投資信託などの購入に対して、ポイントというインセンティブを与えるサービスが、ネット証券を中心にあります。マイナス金利のもと、資産運用の手段を預貯金から投資へシフトさせる動きは加速するでしょうし、投資することで副次的な特典が得られるなら、口座選びの動機となるに違いありません。さっそく、具体的な事例を挙げていきましょう。