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堀紘一の『ヒト・モノ・カネ』論 (5)
時代はネットからコンテンツへ

堀紘一氏といえば、19年にわたりボストンコンサルティンググループに勤務し、日本法人の社長も務めた稀代の経営コンサルタント。

2000年からはベンチャー育成を目的にドリームインキュベータを創業し、わずか5年で東証1部上場企業に育て上げた起業家としても、あまりにも有名だ。第5回は、DI創業秘話に迫る。

DIを創業した理由とは?

DIを創業したのは、ある講演がきっかけです。私はBCGにいたころから、大企業を中心にコンサルティングを行っていました。ところがある講演をした時に中小企業の経営者の方から「堀さんは卑怯だ」と辛らつな言葉を浴びせられたのです。その理由を尋ねてみると「本当に助けを必要としているのは中小企業なのに、大企業の応援ばかりしている」というのです。

そこで辿りついたのが、ベンチャーがIPOするまでをコンサルティングし、ストックオプションなどで利益を得るという、DIのビジネスモデルです。ですが、これでは明日の社員の給料が払えませんから、大企業のコンサルティングで定期的な収益も得ようという手法です。これまでに、アライドアーキテクツなど多くの企業がDIの支援を受けて上場を果たしました。去年も4社がIPOしています。

創業14年でわかったこと

当社は今年で創業14年ですが、そこでわかってきたこともあります。それは、ベンチャーの株を数%程度持ったとしても、ビジネスとしての意味はあまりないということ。

堀紘一の『ヒト・モノ・カネ』論 (5) 時代はネットからコンテンツへ

それに、そういった領域は銀行や証券会社など金融機関に任せればいいのです。20%は持ったうえで、力で抑えつけない程度に経営をサポートして上場するのが、バランスとしてはいいようです。

最近は持ち株比率をもっと増やした連結子会社も持っています。それが、95%を持つペット医療保険のアイペット損害保険と、100%連結子会社でアセット・リクイデーションのリバリューです。

どちらも有望なビジネスで、リバリューについては大手物流プレイヤー等とタッグを組み、製造業・流通業の在庫流動化にも取り組んでいます。ちなみにDIでは東京ガールズコレクションの商標権も60%保有しています。

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堀紘一(ほり・こういち)
1945年兵庫県生まれ。1966年にメリーランド州立大学に留学。69年に東京大学法学部卒業後、読売新聞社に入社して経済部記者として活躍する。73年三菱商事に入社。ハーバード大学に留学して80年経営学修士(MBA with High Distinction)を取得する。81年からボストンコンサルティンググループ(BCG)に19年にわたり勤務し、89年には代表取締役社長に就任。00年にBCGを退社し、ベンチャー企業の支援及び大企業の戦略策定・実行支援を行う、ドリームインキュベ―タ(DI)を創業。代表取締役社長に就任し、02年5月にマザーズ上場、05年9月には東証1部に上場。現在は同社代表取締役会長。経営コンサルティング業界の草分けであり、財界に広く人脈を持つことでも知られ、ビジネスマン向けの著書も多数。
株式会社ドリームインキュベータ(http://www.dreamincubator.co.jp/


エンリッチ編集部

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