ここまで、ロンドンに世界中から富豪が集まってきていることや不動産事情を中心について紹介してきましたが、今回はロンドンのライフスタイルに焦点をあてます。(ロンドンの初回から読む)
ロンドンというとその物価の高さで知られてきましたが、Brexit後に主要通貨の中でポンドが大きく下げたことで、普段生活しているシンガポールと比べて割安に感じる場面が多くありました。東京は世界の主要都市の中でかなり物価が安い都市であるため、さすがにそれよりは高いと感じますが、それでも違和感があまりないレベルに物価が落ち着きつつあります。
ショッピングについては今回の滞在で、ハロッズに足しげく通いました。前回、ロンドンの主要不動産の多くは中東のオイルマネーに席巻されていることを紹介しましたが、このハロッズも現在はカタールの王族が所有しています。
日本でデパートがワクワク感を醸成できなくなって久しいですが、ハロッズには訪れるだけで心を浮き立たせてくれる雰囲気があります。
その雰囲気を醸し出している最大の要因は、夏季休暇中ということもあり世界中のありとあらゆる人種が買い物に集まっていて、しかも皆が楽しそうにしていることでしょう。ハロッズの中だけでなく、ハロッズの脇の道路に止められているスーパースポーツカー達も非日常感を高めています。その多くにはアラビア語のナンバープレートが付けられていますが、中東から夏のバケーションにロンドンに来ているオイルリッチたちは、移動手段まで自国から持ってきているということです。
メガヨットに積んで運んでくるのか、こうした中東のオイルリッチたちが大好きなジャンボプライベートジェットに積んでくるのかは分かりませんが、その手間とコストを考えただけでめまいがしました。
ハロッズを中心とした高級地区ナイツブリッジには夏の間、日本ではほとんど目にしない1台ウン億円のスーパースポーツカーがあちこちに駐車しています。そして、そうした車の周りには現地の車好きたちが写真を撮影しに集まっていて、街並みの賑わいをさらに増しています。
ハロッズの中で最も私がワクワクするのは1階と地下1階に広がっている食品売り場です。ハロッズの食品売り場には、英国のレストランシーンが近年までお粗末だったことが信じられないほど、世界中のありとあらゆるブランドが集まっています。依然に、ドバイを訪れた時に日本へのお土産として好評だったレバノンのチョコレートブランドである「パッチ」も、中東以外で初めてハロッズで見つけました。地下にはあらゆるブランドの高級なワインやブランデーが取り揃えられていて、こうしたアルコール類が好きな人にとってはラベルを眺めているだけでも楽しいでしょう。
販売だけでなく、食品フロアのイートインも充実しています。日本のデパートのイートインは手軽に食べられるモノばかりですが、ハロッズではステーキやシーフードなど本格的なものが食べられます。今回は、キャビアの中でも最高級のベルーガ産が食べられる店に立ち寄りましたが、さすが素晴らしいクオリティでした。子供にとってはおもちゃ売り場が、ディスプレイが工夫されていて、休日にはやレゴや人形の色付けの専門家を呼んでの講習会など様々な催しが行われていて楽しかったようです。ハロッズにはまた来年の夏にもここに来たいと思わせる場としての魅力が満ちていました。