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英国学生マンション投資 4/4

エンリッチ マネーカフェ ロンドン4

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルをお招きして、資産運用にまつわる旬のトピックを取り上げる、本連載。今回のテーマはイギリスの不動産投資、なかでも学生用マンション投資について、ステイジアキャピタルジャパン株式会社の吉岡憲史取締役に話を伺っている。ーーー

国内の大学の数は150校
底堅い賃貸需要が期待できる

内藤 東南アジアや中国、アフリカからの留学生が多く、賃貸需要も高いということですが、イギリスの大学の数などは? あるいは日本の首都圏だと、近年はキャンパスの都心回帰があり、学生が去った町では空き家だらけ、家賃崩壊が起きていると聞きます。同じような移転リスクはイギリスにはないのでしょうか。

吉岡 イギリス国内に大学は約150校あり、日本約800校、米国約4200校に対して、非常に少ない規模。日本は過去20年で約350校増えていて、学生数は減少傾向ですが、イギリスは同期間で増加はないものの、学生数はおよそ3割も増えています。基本的には国立大学で、経営破たんやキャンパス移転は過去にありません。大都市なら2校、中堅都市なら1校というように国内にバランス良く配置されているのも特徴で、ひとつひとつの大学にまんべんなく学生が集まります。

内藤 日本が東京に一極集中しているのに対して、ずいぶんと異なりますね。学生専用用の住宅としてはにしても、日本では民間のアパマンや大学が運営する寮もありますが、学生会館のような施設はもありますが、どこか法人がまるまる賃貸専門の法人が運営しているのことがほとんどです。

吉岡 イギリスにも大学が提供する寮はありますが、数に限り界があり、利用できるのは学生の2割程度。残り8割は他に住む場所を探す必要があり、そこで、比較的家賃がリーズナブルな学生用マンションが活用されているわけです。リサーチ大手のJLLの調べによると、2015年の英国学生マンション市場では、約7.5超円が取引されました。英不動産総合コンサルタントのナイトフランク社は、新興国の成長により今後5年間で留学生の数は年15~20%増加するとも。つまり、イギリスでは学生マンションの需要はまだまだ続き、投資対象としても魅力的だということを意味します。

内藤 具体的には、どういった物件がありますか?

吉岡 当社が販売に関わっている物件だと、ロンドンから電車で20分、ベッドタウンとして急速に発展してきた、ルートンという都市。市街地には留学生が約3割を占めるベッドフォード大学もあり、学園都市として栄えています。距離的に近く、家賃が安いことから、ルートンからロンドンの大学へ通う学生もたくさんいて、ここで建築中の物件は、ひと部屋75,380ポンド(約980万円)。昨年の8月だと為替の関係で1500万円もしましたが、ポンド安のおかげで価格は下がっています。

内藤 現地の価格が下がったわけではなく、あくまでも為替の問題ですね。過去のポンド円で見ると、120円前後ががボトム。なら、現状は最安値と言えませんが、かなりいいレベルまで下げています割高でもありません。もちろん、さらにポンド安になる可能性はゼロでありませんが、投資するには魅力的な最低レベルに近い水準です。

内藤忍

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