資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルをお招きして、資産運用にまつわる旬のトピックを取り上げる、本連載。3月のゲストは、株式会社インテリックスの俊成誠司氏。小口から不動産投資を始められる「アセットシェアリング」をテーマに対談を行った。ーーー
中古マンションの成約件数と
新築マンションの供給戸数が逆転
内藤 俊成さん、本日はよろしくお願いします。インテリックスといえば、リノベーションの総合企業として知られる会社です。中古マンションの再生流通事業を手がけていて、昨年6月には東証二部から東証一部に市場変更しました。
俊成 よろしくお願いします。おっしゃる通り、弊社はリノベーションの認知がまだない1995年から不動産ストックの再生・活用を使命と考え、実直にリノベーションに取り組み、市場を拡大してきました。リノベーションマンションの累計販売戸数は1万7000戸超(2016年5月末現在)、年間販売戸数は1393戸と、マンション再販部門で全国1位(リフォーム産業新聞2016年6月28日付掲載記事より)にも選ばれています。
内藤 中古マンションに対するニーズは高まっていて、いまでは新築ではなく、リノベーション後の物件を買うことも珍しくありません。インテリックスは、日本における中古マンション再生流通のパイオニアであり、住まいに対する新たな提案を続けることで、市場を創出したというわけですね。
俊成 実需に限っての話ですが、首都圏における新築マンションの供給戸数は、2003~05年は年間8万戸以上、サブプライムショック、リーマンショックを経て急激に減り、08年以降は年4万件前後で横ばいの状態です(13年のみ5.6万件)。一方、中古マンションの成約件数は03年の2.6万件から着実に増加を継続していて、15年には3.4万件を超えました。そして、昨年にはとうとう逆転して、新築マンションの供給戸数よりも中古マンションの成約件数が上回ることに。全国に視野を広げても、マンションのストックは600万戸もあり、概ね半数がリノベーションを必要とする築20年以上の物件であることを考慮すると、マンションの中古・リノベーション市場はこれからも拡大していくことは確実です。