ついにレクサスがピナクルな世界に
足を踏み入れた
レクサスに新しくビッグクーペが追加されるのをご存知だろうか。LCと名付けられたのがそれで、発売前からかなり注目を集めている。それを証拠に一般の方を対象にした特別試乗会を富士スピードウェイで行ったようだが、かなりの応募があったそうだ。しかも、そこに来場した方々の足がすごかった。ポルシェ911が目立ったほか、AMG、BMW M、アルピナ、マセラティ、アストンマーティン、そしてフェラーリといった猛者が顔を連ねた。
こうした輸入車嗜好の方々が集まった理由のひとつにレクサス初のビッグクーペというのがある。LCは現行ラインナップのRCやかつてのSCとは異なるトップエンドのセグメントに属す。
もちろん、他のいわゆるプレミアムブランドと呼ばれるメーカーはそれをラインナップする。ベントレーにはコンチネンタルGTシリーズ、マセラティにはグランツーリズモ、メルセデスにはSクラスクーペ、BMWには6シリーズなどだ。どれもヨーロッパの階級社会にとけ込んでいる。
そう考えると2ドアのビッグクーペは富の象徴であり、本当の意味でのプレミアムカーといえる。SUVが氾濫する昨今、それはどんどんプレミアム化されているが、やはりこのサイズのクーペには及ばないであろう。優雅でムダのあるそのパッケージングにこそ、本当のプレミアムが存在する。
ということで、ついにレクサスがその領域に手をつけた。グローバルで本腰を入れたブランディングがスタートする。LCはレクサス誕生から27年、ファン待望のプレミアムクーペとなる。
スタイリングは2012年のデトロイトで発表されたLF-LCコンセプトをほとんどそのまま実現した。エンジニア的にはあまりにも低いエンジンの搭載位置やドライバーのポジションを含め、ほとんど不可能というパッケージングだったそうだが、それをやり遂げたのだ。
もちろん、その影には大変な苦労があったと聞く。というのも、既存のプラットフォームではあのスタイリングを再現するのは不可能で、かなり不格好になってしまったそうだ。そこで、考えられたのが新開発のプラットフォーム。レクサスはこのクルマを具現化するために、なんと基本骨格からやり直したのである。
GA-L(グローバルアーキテクチャーラグジュアリー)の頭文字をとった新プラットフォームがそれで、LCの他今年1月のデトロイトで発表された新型LSでも使われる。つまり、新世代レクサスのキモとなるシロモノだ。