資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルをお招きして、資産運用にまつわる旬のトピックを取り上げる、本連載。今月は、株式会社ユニバーサルコインズの西村直樹代表取締役とともに、「レアコイン」について対談を行っている。(1/4から読む)ーーー
コインを活用した資産運用は
欧米富裕層では当たり前のこと
内藤 日本では資産運用というと、株式投資や不動産投資をイメージします。レアコインの運用については、価値や市場規模をはじめ、あまり知られていません。
西村 海外ではマーケットが確立されていて、欧米を中心にコインフェアやオークションが定期的に行われ、数億円というお金が流れています。そういった光景を目の当たりして、私も魅力やダイナミズムを感じて、日本でも本格的に流通させたいと考えました。
もちろん国内にもアンティークコインの愛好家はいますが、どちらかというと、コレクション目的の方が多く、あくまでも趣味の範囲。それゆえ、市場規模はさほど大きくありません。
当然ながら海外でも、趣味として集めている方は少なくありませんが、一方で、レアコインを資産運用として扱う動きは、ここ10年で加速しています。とりわけ欧州はイギリスがユーロから離脱する動きを見せたり、他国も追随しようとするなど、経済不安が高まっていて、それに伴い紙幣に対する不信感も広がりつつあります。銀行の置いておくなどもってのほかで、資産に対する不安からゴールドに替えてしまう人もいるようです。
ところが、ゴールドを持ってしまうと、「誰がどこでどれだけ所有している」というように、全世界中で個人情報が紐づいてしまい、それを好まない人も…。そこで、小さなレアコインに移すという流れが起きています。
内藤 1億円ものお金をゴールドにすると何キログラムという重量になりますが、レアコインなら1枚ですむこともあり、保管や管理がしやすいこともあるでしょう。それにしても、1億もの価値があるコインが流通しているのですね。
西村 現在、レアコインは全世界に20万種類ほど存在すると言われています。金貨、銀貨、銅貨、プラチナなど材質は様々ですが、もっとも人気が高いのは、やはり金貨です。ただし、最も高額なのはアメリカの銀貨で、1枚で数十億円もすると聞いています。数千万円レベルだと珍しくはなく、普通に取引されていて、それもブラックマーケットでも何でもなく、きちんとオークションなどを通じていますから、ある程度はオープンで、安心な世界です。ご安心ください(笑)。