ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

バランスを意識することの大切さ

エンリッチmental_balance

メンタルトレーナーの高畑好秀氏が、悩めるエンリッチにアドバイスする本コラム。意外な視点からの言葉に、思わずハッとさせられるかもしれません。今回は、「バランス」について考えてみましょう。

バランスを整えると
心身の健康は保たれる

私はこれまで、心身のバランスを整えることが、メンタルを健康に保つ基本だと述べてきました。アスリートは言うまでもなく、心と身体の均衡を崩してしまうと、すぐにパフォーマンスに現れますし、ビジネスでも同じことで、過剰な資本投下といったファイナンスを無視した施策を行ったり、余計な領域にまで手を伸ばしてしまうなど、舵とりに悪影響を及ぼしてしまいます。私は経営者や起業家にスポーツを勧めていますが、それは、普段は頭を使う機会が多い人にとって、適度に身体を動かすことがストレス解消はもちろん、両者を駆使することで、バランスの調整がしやすくなるからです。

ビジネスエリートのなかには、マラソンやトライアスロンなど、一見するとハードな競技を好む方も少なからずいるようですが、過酷な状況に自身を追い込むことで心身の鍛錬になったり、タフな場面も乗り越えられる体力や精神力を身につけたい、普段は上の立場ですがスポーツは関係なく、普段の立場や年齢、経験の異なる人たちとともに汗水を流すことで自分を客観視できるなど、一人ひとりに、何らかプラスに働くことがあるのだろうと思います。もちろん、ハードなアクティビティにこだわる必要はなく、軽いジョギングでもルーティンにすることで同様の効果は期待できますから、いずれにしても、日常生活で、心も身体も動かす習慣を取り入れることはお勧めです。

そこで大事なのは、「ほどほど」にしておくという、やはりバランスです。例えば、ビジネスで頭ばかり酷使していると疲労がたまり、メンタルに不調をきたします。最近は、ブラック企業という言葉が一般化しましたが、過重労働でうつ病になったり、心が弱るケースは後を絶ちません。なかには、ワーカホリックの方もいるでしょうが、自発的・強制的であれ、ことが過ぎると知らず知らずのうちにメンタルバランスが崩れ、身体の不調にもつながっていきます。

これは、スポーツでも変わりません。のめり込み過ぎると身体を壊しますから、その結果、気持が沈んでしまうこともあります。誤解を恐れずに言うと、運動だって過剰にやってしまうと害になるだけ。だからこそ、プロアスリートは日常でもハードすぎるトレーニングを続けることはありませんし、1日のなかで身体を動かす時間、そうではない時間をしっかりと切り分けています。彼らにとっては、休む時もトレーニングの一環だということです。オンとオフシーズンがあるのも、年がら年じゅうだと身体がもたず、それが心身のバランスを崩すことになるとわかっています。

ですから、メンタルとフィジカルにおいては、それぞれを極限まで使い込み過ぎない、さらには、頭と身体の両者を動かすという、二段構えのバランス調整が、心身の健康に役立つということです。

高畑好秀

Return Top