メンタルトレーナーの高畑好秀氏が、悩めるエンリッチにアドバイスする本コラム。意外な視点からの言葉に、思わずハッとさせられるかもしれません。今回のテーマは「幸福感」。皆さんは維持できていますか?
成功したのに幸福感を得られない
その理由とは?
せっかくビジネスで成功を収めたのに、なぜだか満足感が得られない…そんな心情に陥る起業家やリーダーは少なくありません。一定の成果は得られたのに心は満たされない…なぜでしょうか?
「あくまでも途中経過だから」という理由であれば納得もできます。目指すべきゴールは先にあり、ひと山超えただけではまだまだということもあるでしょう。この場合、まい進すべき目標はありますから、モチベーションを維持しながら歩みを進めていけば構いません。
ところが、そうでもないのに、心には焦燥感や虚無感が生まれているとしたら、ここで自分の内面を見直すタイミングだと思います。原因を突き止めて軌道を修正するなど、何らかの策を講じないことに、いつかは躓いてしまう可能性があります。
これはアスリートも同様で、一流選手と呼ばれる人でも、まったく幸福感を得られず、ルーティンワークに陥るケースが時に見受けられます。
その背景にあるのは「納得感」であったり「本当にしたいことができているか」といった、理想と現実のギャップがほとんどです。彼らの多くは小さいころから競技に真摯に向き合い、いうなればイノセントな状態で腕を磨いてきました。ところが成長するにしたがい、様々な事情を理解するようになり、とくにプロの世界であれば、必ずしも自由闊達に動けるわけでもありません。そこで悩みが生じて、周りから称賛されたり羨ましがられても、幸福を感じられないというのです。こういった状態が続くとモチベーションの低下はおろか、パフォーマンスにも響きますし、ストレスなどにより注意力が散漫になれば、ケガや不振につながる可能性もはらんでいます。