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【8】国内不動産投資:ローンはどのくらい借りるべき?

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、新シリーズ。11月最後のテーマは、「国内不動産投資」です。ーーー

国内不動産投資:ローンはどのくらい借りるべき?

Q(質問者):都心区分マンションを対象に不動産投資を始めようと思っています。自己資金が2000万円ほどありますが、会社勤務ですからローンも借りられます。ローンをどの程度借りるのが良いでしょうか。

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A(内藤氏):東京都心のワンルームマンションの賃貸利回りは、コストを差し引いて4%台半ばです。一方、金融機関からの借入金利は、概ね1%半ばです。仕事をしていて定期的な収入があるのなら、ローンを組んで、この金利差を活かしながら返済していくのが良いでしょう。

長期のローンを組めば、元利均等返済(毎回の返済額が一定となる返済方法)を行いながら、毎月のキャッシュフローをプラスにすることも可能です。

ただし、借入比率が大きくなると、返済額が大きくなり、結果的に受取金額は小さくなってしまうことに…。借入金額をいくらにするのかには正解はありません。具体的な物件を元にシミュレーションをしてみて、どの程度まで借りるのが良いか考えてみましょう。

私も物件購入の際は、不動産仲介会会社の担当者、さらには金融機関の担当者とも話し合い、物件価格に対してどれくらいの割合を借り入れるのか検討しています。自分だけで判断するのではなく、専門家の意見を参考にすることも役に立つと思います。

借入方法と借入期間にも注意することです。ローンには「固定金利」と「変動金利」があります。変動金利の場合、将来の金利上昇リスクを持つことになりますから、上昇した場合の対策を考えておかないといけません。

また、借入期間を長くすれば、毎月の返済額は小さくなり、キャッシュフローは改善しますが、トータルの金利支払いは大きくなります。このように、資金調達の方法、期間についてはバランスが良くなるようプランを練る必要があるでしょう。

例えば、将来的に2戸目、3戸目とさらに投資を追加していく予定であれば、定期返済以外に繰上返済も行って、早めに返済するようにして、次の投資に備える方が良いでしょう。

「お金を借りる力」を上手に使って、資産を積み上げていってください。

内藤 忍 (ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関勤務を経て1999年にマネックス証券の創業に参画。同社は、東証一部上場企業となる。その後、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役などを経て、現職。著作は40冊以上。2015年には銀座に「SHINOBY`S BAR 銀座」をオープン。無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」は購読者が約47,000人という人気

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