資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、本シリーズ。近年は「iDeCo」や「NISA」の登場により、低コストで運用できる金融商品に注目が集まっています。とりわけ「インデックス投信」は人気ですが、その数はたくさん。どうやって選んでいけばいいのでしょうか?ーーー
インデックス運用:ファンドを選ぶ基準とは?
Q(質問者):インデックス運用で資産を増やしたいと思っていますが、どのファンドを選んでいいのか、たくさんありすぎてわかりません。選択の基準を教えてください。
A(内藤氏):投資信託は国内だけでも3000本以上もあります。本来は数を増やしても投資家を混乱させるだけなのですが……。どうも金融機関には「顧客主義」という発想はないようです(苦笑)。
インデックス運用をご希望とのことですが、これは言わずもがな、日経平均株価やTOPIXなど、基本的は市場の平均値と同じ値動きを目指す投資信託のこと。よって、どのファンドを購入しても、対象が日経平均株価であれば同じインデックスに連動するわけですから、値動き=投資成果はほとんど変わりません。
そうなると重要なのは、運用成績よりも「コスト」になります。同じパフォーマンスであれば当然ながらコストを抑えられる投資信託を選んだ方が有利になります。
では、投資信託にかかる主なコストとは何かというと、「販売手数料」と「信託報酬」の二つです。
ただし、ネット証券で販売されているインデックスファンドのほとんどは販売手数料のかからない「ノーロードファンド」と呼ばれる商品。そもそも、インデックスファンドは、ファンドマネージャーが中心になって投資対象を選択・運用するアクティブファンドに比べて手間がかからないことから低コストで、販売手数料も低く設定されているケースが多いのですが、現状だとネット証券はノーロードを数多く用意しています。他方、人件費のかさむ銀行や証券会社の店頭で購入すると販売手数料がかかる場合が多く、その分リターンは悪化します。
信託報酬も商品によって異なりますが、基本的には低コストのファンドの方が運用利回りは高くなる傾向があり、これも安いものを選ぶというのが基本です。目安としては、国内の資産に投資するものなら年間0.4%、海外の資産に投資するものであれば0.6%程度になります。