ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値を見出す本連載。5月のテーマは百貨店のプレミアム系クレジットカードがテーマ(1/3から読む)。各社のラインナップを取り上げよう。ーーー
百貨店のプレミアム系は始まったばかり
今後の展開が気になるところ
今回は三越伊勢丹グループのエムアイカードの取り組みを中心に取り上げてきました。じつのところ、百貨店業界がプレミアム系カード、とりわけ「プラチナカード」を発行するケースは極めてレアです。
他のデパートであれば高島屋が申込制の「タカシマヤプラチナデビッドカード」、百貨店といえるかどうかは微妙なところですが、ファッションビルの「マルイ」を展開する丸井系のエポスカードも「エポスプラチナカード」、大丸松坂屋などが出資する銀座の複合商業施設「GINZA SIX」が「GINZA SIX カード プレステージ」を発行しているくらい。大丸・松坂屋系のクレジットカード会社のJFRの「大丸松坂屋カード」は一般とゴールド、西武・そごうで使える「クラブ・オン/ミレニアムカード セゾン」は一般のみ、東急や小田急といった電鉄系百貨店にもプレミアム系クレジットカードの扱いはいまのところありません。
しかしながら冒頭で申し上げた通り、百貨店ビジネスは過渡期を迎えていて、前途は明るいと決して言えません。慣れ親しんだ中高年~シニアだって歳を重ねると外出の頻度は減り、ネットショッピングに慣れた若年層の利用は果たしてどうなるのか……、そうであればクレジットカードをフックに、より多くの人を呼ぶ戦略は有効かもしれません。エムアイカードであれば複数のカードを統合して煩雑さを解消し、ポイントの利用シーンを拡大した利便性アップ、加えてプラチナカード発行によるエグゼクティブの誘い込みなど、ある意味時勢を捉えた取り組みだと思います。今後、他社がどのようなサービスを展開していくのか、とても気になります。
では、なぜ百貨店はプラチナカードの発行に及び腰なのでしょうか。それは、多くの店舗が外商担当者がついている上得意を対象にした「外商カード」をすでに発行しているからだと私は考えています。