資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、本シリーズ。今回は、「国内不動産投資」がテーマです。金融機関から融資を受ける際、物件価格に対する借入比率は、どのくらいが適当なのでしょうか。ーーー

国内不動産投資：物件価格の何%まで借りて良い？

Ｑ（質問者）：東京都心のワンルームマンション投資を検討しています。ローンを活用しようと思っていますが、物件価格の何％まで資金を借りても良いでしょうか？

Ａ（内藤氏）：不動産投資を行う場合、銀行など金融機関から融資を受けるという考え自体は間違っていません。手元に膨大なキャッシュがあれば事情は異なるかもしれませんが、資金を借りることでレバレッジを効かせることができ、かつ自身のキャッシュの流出を抑えることもできます。

ただし、ローンを使って物件購入できるかどうかは、本人の属性によって変わります。会社員であれば勤続年数や勤務先、年収といった要素、起業家であれば法人の実績などを加味して金融機関が個別に判断しますので、どこまで借りられるかは個別に確認しなければなりません。そこで、いわゆる高属性であればフルローンに近い金額を借りられたり、反対に属性によっては、あまり融資を受けられないかもしれません。

また借入金額が多いほど、また返済期間が長いほど、金利の負担は大きくなります。だからローンはなるべく借りたくないという人がほとんどでしょう。しかし、繰上返済に手数料がかからない金融機関であれば、借りられるだけ借りておくというのも、ひとつの考え方です。

金融機関によって対応はさまざまですが、ネットバンクを中心に繰上返済手数料を抑えている、あるいは無料というケースもありますから、事前にチェックしておくことです。

というのは、借りたお金を繰り上げ返済するのは簡単ですか、最初に借りた金額以上に追加融資を受けるのは、簡単ではありません。実際のところ、返済負担やリスクを恐れて、自己資金を多めにして最初の投資をはじめ、その後2戸目、3戸目を購入しようとした時に、追加借入ができなくなってしまうという問題に直面している人もいます。