資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、本シリーズ。今回のテーマは「資産運用」の基本について。集中投資と分散投資の違いについて解説します。ーーー
資産運用:集中投資or分散投資、どちらが良い?
Q(質問者):積極的な資産運用を検討しています。その際、国内外の金融資産や実物資産に集中投資をすべきか、幅広く分散投資をした方が良いのか悩んでいます。内藤さんは分散投資を推奨していますが、どうなのでしょうか?
A(内藤氏):資産運用は分散が基本と信じ、自分自身の資産も国内外の金融資産、実物資産に分散させている私ですが、集中投資で結果を出している投資家も世の中には存在します。
代表的なのが、ウォーレンバフェット氏です。米国の特定の銘柄への株式投資で大成功を収めていますが、その背景にあるのは「自分が理解できるものに集中投資」というポリシーでした。コカコーラ、ジレット、ハーレーダビットソン、ウェルズファーゴといった会社に資金投資して、インデックスを上回るリターンを長期で実現しています。
しかし、このような投資方法は万人向けではありません。実際、ウォーレンバフェット氏は個人投資家に対しては、自分のような方法ではなく、インデックスファンドを使った分散投資を勧めています。
というのも、特定銘柄への集中投資だと「上がるか・下がるか」の二択になり、リスクヘッジが容易ではありません。ところが分散投資を行えば、ある銘柄は下がっても他が上昇してカバーするというように、リスクを抑えながらトータルでリターンが狙えます。投資の基本は「儲かる」よりも「損をしない」に重きを置くことです。それを実践するには分散投資、あるいはひとつの商品で分散効果があるインデックスファンドが向いています。